AI時代の騒音問題は弊社が解決~データーセンターにおける防音対策4つのポイント
ソリューション事業部の植木です。AI等の活用が企業にも見られますが、静科社内でもいろいろ相談し助けてもらっています。ただ、出典や根拠が不明だったり、精度が不確かなケースもあるため、最終的な取捨選択は自分の責任で行い、確認をしつつ習得をするように心がけております。
さて、AIの活用が社会一般になりつつある中、AIを維持するために国内各地にデーターセンター(コンピューターやデーター通信装置の維持・運用を行う施設。サーバーやネットワーク機器、電力供給設備、冷却装置等が配置されている)が設けられております。
データーセンターは社会のインフラとなりつつありますが、設備である以上騒音問題も発生しております。今回は新設・既設においてのデーターセンターにおける騒音対策を紹介させていただきます。
①施設温度維持のための室外機騒音の対策
施設内には大量の情報を保存・運用しているため、温度・湿度の一定化が図られております。主にエアコン等の空調機等で温度・湿度維持を図っておりますが、その分屋外には室外機を配置し、騒音発生の可能性があります。新設の場合、注意しなければいけないのが、敷地境界線上での騒音レベルです。環境省で定めている騒音レベル以外にも、市町村区域の朝・昼・夜で規制があるため、事前に確認が必要です。
また、室外機1台の発生音が70dBだとしても、複数台設置の場合は騒音レベルの合成値で増幅します。合成値を把握した上で、敷地境界までの発生音をシミュレーションし、規制を下回っている必要があります。仮に、規制値を上回っている場合は、その時間帯だけ設備の稼働を停止させる可能性もあります。対策方法としては、室外機周囲に防音壁を設けることになりますが、室外機よりも幅、高さを設け音の回析を緩和し、室外機のメンテナンスがしやすいようにスペースを設けると長期的な利用が可能となります。
②施設排気音の対策
データーセンターにはクリーンルーム(塵の発生が無い、清浄な空間)が配置され、室内の清浄度を維持するため、空気流動をコントロールしております。その分、外に出す排気の音が周囲環境に影響御及ぼすケースがあります。
排気音の場合も、①のように環境省の規制値が関わってまいりますが、室外機対策のように地上ではなく、高所にダクト等が設置されているため、対策にはサイレンサーという防音装置をつけて発生音を緩和させる方法が有効です。サイレンサーを設置する場合は下記の点に注意です。排気に薬品物(酸性やアルカリ性など)が流れていないか、温度(高い温度か低い温度か)、排気速度等を確認し、専用のサイレンサーを制作していきます。
③クリーンルーム内の防音対策
設備内においても防音対策は必要とされております。厚生労働省の労働安全ガイドラインに基づき、工場内設備の騒音レベルは85dB未満(周囲で従業員がいる環境において)を維持しなければなりません。85dBというのは、難聴になりやすい音の大きさのため、設備内で働く従業員の健康と安全を目的に設定をされております。
クリーンルームの場合は、発塵性が無いことを前提としておりますので、防音対策や防音パネルも限られてきております。当社では、一人静タイプZが発塵性を抑えた仕様になっておりますので、クリーンルームにはおススメです。対策方法としましては、既存の壁に取り付けて室内の響きを抑える方法、対象の設備の防音カバーに加工して設置する方法があります。いずれの場合も、お客様の施設・設備使用方法を確認し、設備のメンテナンス等がしやすい方法を設計に反映してまいります。
④非常用発電機、太陽光設備の防音対策
非常時に備え、設備内に発電機や自家発電できる設備を設けるケースがあると思います。どちらの設備も、事前に市町村に届け出が必要で、その際に騒音レベルのが規制値を下回っているかの検討が必要になります。発電機も太陽光発電設備も特殊な音が発生する(高音~低音)ため、使用する防音パネルも幅広い音域に対応する製品でないと効果が限定的です。
一人静タイプLは低音~高音の吸音・遮音が可能で屋外でも使用できますので、よくご利用をいただいております。設置方法としましては、既存基礎(コンクリート推奨)に鉄骨をアンカー止めし、パネル設置する方法です。静科では、鉄骨の取り付け、パネル施工もできますので、新設・既設の設備に関わらず対応が可能です。
最先端の設備でも、最終的な運用は人間が行います。静科では新しい社会インフラへの協力と提案を行っておりますので、 騒音問題に関するお問い合わせは、是非とも、騒音相談WEBツールより、お気軽にお問い合わせくださいませ。
