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株式会社静科

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    2019-02-19

    騒音レベルの足し算の仕方~室外機2台の騒音レベルを例に計算

    製造部②です。本日は「音(dB)の足し算」について書いてみたいと思います。

    音の大きさを表す単位「dB(デシベル)」

    音の大きさはdB(デシベル)という単位で表します。何デシベルがどのくらいの音を出すかの目安は、下記の過去記事にて確認できます。詳しくはリンク先に掲載していますが、静かな図書館が約40dB、救急車のサイレンが約80dBくらいのイメージです。

    過去記事・生活音の目安をまとめ~音の大きさ・体感・騒音の具体例など

    デシベルは単純な足し算ができない

    先日、お客様よりこのような質問がございました。

    「既存の室外機の横に新たに2台目の室外機を設置したいのですが、音はどれくらい大きくなりますか?」

    デシベルは単純に足し算ができません。40dBと80dBの音があったとした場合、これを足し算する場合40dB+80db=120dBとはならないのです。詳しくは、数学のお話になってくるので省きますが、デシベルは対数(log)であるため、そのままでは足し算ができません。通常は、対数の計算が必要になってきます。

    しかしながら、高校で習った数学のことなど、忘れてしまわれた方も多いと思いますし、何より対数の計算は面倒ですよね。そういった場合でも、簡易的な方法でデシベルの足し算を行う方法があります。

    補正値を使って簡易的な計算が可能

    対数の計算を行わなくても、簡単な法則を使うだけで、デシベルの足し算ができます。以下の3つの手順で計算ができます。

    1. 足したい2つ音の間の差(レベル差)を計算する
    2. 下記のデシベル和の補正値表を使い、レベル差から補正値がいくらになるか確認する
    3. 足したい2つの音のうち、大きい方のdB数と補正値を足し算する

    ※補正値表

    これだけではイメージがしにくいと思いますので、具体的な例をもとに計算してみます。

    例. それぞれ60dB , 63dBの音が出る室外機が2つある。これらのデシベル和を計算する。

    1. 2つの音の間の差(レベル差)は、63dB-60dB=3dB
    2. 補正値表を参照すると、レベル差3dBのときは、補正値2dB
    3. 2つの音のうち大きいのは63dBである。これに補正値を足す。63dB+2dB=65dB

    よって、60dBと63dBのデシベル和は『65dB』になることがわかる。

    これが例えば、50dBと70dBの2つの和となると差が10以上になるため、補正値は0となり、単純に大きい方のデシベル、70dBがデシベル和になります。室外機の音についてご質問を頂いたお客様にも、この方法を使用して、予測される数値をお答えすることができました。

    このように簡単な方法で、デシベルの足し算を計算することができますので、ご興味のある方は、是非お試しください。