大学の研究環境向けに簡易無響ボックスを製作~精密機器の動作音を正確に測定できる環境を構築
皆さん、こんにちは。製造部のヅアンです。
最近、日本の夏が本格的に暑くなってきて、改めてベトナムとの違いを感じます。 ベトナムも暑いですが、日本の夏は湿気が多くて、また別の大変さがあります。 毎日エアコンを使わないとやっていけず、その分電気代もどんどん上がっていくので、ちょっと困ります(笑)。 これからもっと暑くなると思いますので、皆様も体調にお気をつけください。
今回のブログでは、ある大学の研究室からの依頼で製作した「簡易無響ボックス」をご紹介したいと思います。
大学向けに製作した簡易無響ボックス
簡易無響ボックスは、音の反射を抑え、外部への音漏れを軽減するための防音装置です。名前のとおり、完全な無響室ほどの性能はありませんが、限られた空間やコストの中で、ある程度の静音環境を確保できるのが大きなメリットです。今回は大学の研究環境にて、主に機械音や実験音の評価・測定を目的として使用されることから、精密機器の動作音を正確に測定できる環境が求められました。
特徴と構造について
この無響ボックスの主な特徴は以下のとおりです。
①一体型構造
今回のボックスは分解・組立ができない一体型設計です。これは、使用場所が決まっており、移動や分解の必要がないという条件から採用されました。
②ゴム足付き底面
ボックスの底にはゴム脚(ゴム足)が取り付けられており、設置時の振動や音の伝達を抑える役割を果たしています。 また、床への傷を防ぐ効果もあります。
③材質と吸音構造
今回は弊社の「一人静タイプA」t37mmを使用しており、音の反射を抑えながら、耐久性や安全性にも配慮した構造となっています。
扉付き設計
正面には一枚扉を設けており、機器の出し入れがスムーズに行えるように設計されています。 扉にはパチン錠を取り付けており、簡単に開閉できるとともに、しっかりと固定することが可能です。

簡易無響ボックス仕様
- 「一人静タイプA」t37mmを使用 床有り
- 外寸:1000mmx700mmxH1000mm
- ゴム足、配線カバー取付、取手付け
- 配面: 配線ダクト用開口
- 製作期間: 1週間
今回製作した簡易無響ボックスは約50kgとなり、設置の際は二名での作業が必要となります。また、今回の仕様は一体型で分解不可の仕様ですが、設置場所や使用案件に応じて、分解・組立可能なタイプやご希望のサイズでの製作も対応可能です。
騒音相談WEBツールよりご相談ください
今回は「簡易無響ボックス」をご紹介させていただきました。弊社では標準仕様だけでなく、お客様の現場環境やニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ対応しております。今後も現場の声を大切にした製品づくりに努めてまいります。 防音や防振でお悩みの際は、お気軽に騒音相談WEBツールよりご相談くださいませ。