ブロワの騒音対策~「一人静タイプL」を使用した防音カバーの設計事例と工夫ポイント
皆様こんにちは。製造部の大澤です。
先日インフルエンザにかかり、1週間ほどお休みをいただきました。実は、これまで一度もインフルエンザと診断されたことがなかったため、自分でも驚いております。以前であれば多少の体調不良では病院に行かないこともありましたが、新型コロナの影響もあり、体調に変化を感じれば早めに受診する習慣が身についたように思います。これから寒さが厳しくなる季節ですので、体調管理には一層気を配っていきたいと思います。
さて、今回ご紹介するのは「ブロワ向けの防音カバー」です。
既存の防音カバーをアップデート
本案件は工場の増設に伴い新たに導入するブロワの騒音対策です。既存のブロワには他社製品のカバーが設置されていたのですが、せっかくなら性能のより高い物も試してみたいという事で、弊社にお声がかかりました。モーター駆動音の低周波を抑えるために今回は「一人静タイプL」を選定し、お客様から頂いた資料を基に設計いたしました。
自然吸気にて熱籠り対策
当初は吸排気ファンの設置をご提案しましたが、「できるだけ電源を使用しない構成が良い」とのご希望を受け、自然吸気による熱対策をご提案しました。吸気開口は 400×200mm とやや大きめですが、そのままでは音漏れが懸念されるため、開口部の上に一人静パネル製のフードを設置し、音漏れを最小限に抑える構造としています。
また、排気については、お客様側でダクトをご用意されるとのことでした。天面にダクトサイズに合わせた開口を設け、取付用インサートも併せて加工しています。
ブロワ向け防音カバー

仕様詳細
- 一人静タイプL(t70mm)を用いた床無5面体防音カバー
- 内寸:幅1,642mm×奥行711mm×高さ959.5mm
- 外寸:幅1,795mm×奥行864mm×高さ1,036mm
- 側面に吸気用開口及び防音フード取付
- 背面に圧力計取付用開口
- 正面及び天面に取手取付
- ダクト取付用開口及びインサート加工
- Lアングルを用いて床へアンカー固定

パネル取り回しの工夫~取手の設置をおすすめしています
「一人静タイプL」パネルは 1㎡あたり約15kg と比較的重量があり、2㎡サイズになると約30kg近くになります。今回のヒアリングでは「頻繁に解体する可能性が高い」とのご要望があったため、対象パネルに取手を追加しました。取手があるかどうかでパネル作業性は大きく変わるため、私としても取手の設置は積極的におすすめしております。
本防音カバーは後日弊社にて施工予定です。設置後の効果につきましては、追ってご紹介できればと考えております。
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回はブロワ向け防音カバーの製作事例をご紹介しました。防音対策をご検討される際、仕様や構造についてお悩みの点がございましたら、現場状況や騒音源に合わせて最適なご提案をいたします。具体的な検討段階でなくとも、些細なご相談でも問題ございません。
騒音対策や防音工事に関するご相談は、騒音相談WEBツールより、どうぞお気軽にお問い合わせください。
