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株式会社静科

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    実験室内の空調設備の騒音対策~組立解体式防音室の設置で約20dBの低減

    こんにちは、製造部岩崎です。

    値上げの影響でお米を買う機会が減り、パンやパスタをよく食べるようになりました。特にパスタはレンジで茹でる容器が簡単で重宝しています。カレーはお米だけでなくうどんやパンとも合うのでよく作っていますが、最強の相方はやはり米に違いないので早く値が落ち着くことを願います。

    本日は「実験室向けの組立解体式防音室」をご紹介いたします。

    実験室内の空調設備騒音

    今回のご相談は、実験室内にて空調設備から発生する音を低減して外的影響を少なくしたい、というものでした。空調設備にも様々ありますが、本体のファンやモーターの回転音などがメインで、ダクトを流れる気流音などもあります。空調音は条件や機械の種類により様々で、低い音から高い音まで幅広い周波数帯の音が発生するのが特徴です。

    3m角の組立解体式防音室を製作

    ポイントとなったご要望は、実験の兼ね合いで、定期的に解体と組立を行う必要があるという点です。こちらの防音室は、パネルと専用のフレームをビスで連結していく仕様なので、プラスドライバー1本で設置ができます(ただし、今回は3m角と比較的大きめのサイズのため、最低3人ほど人手が必要となります)。

    防音室仕様

    • 実験室向けの3m角5面体防音室
    • 中音~高音域まで幅広く対応可能な「一人静タイプA」を使用
    • 出入り用の扉(防音パネル仕様)
    • 内部、および外部確認用の窓
    • 室内換気用の開口、および開口用のサイレンサー
    • 室内照明(LED)
    • 何度も組立解体可能な仕様

    開口のスリットや排気ファンはお客様にて取付となりましたが、開口を開けたままですと音が単純に漏れてしまうので、吸気・排気ともにサイレンサーをつけております。また、窓も比較的大き目で、60cm角の可視部を確保しています。窓は押縁工法での取付なので、万が一使用中に割れるなどしてしまった場合にも交換が可能となっています。

    防音室外部で90dB出ている音が内部で67dBに低減

    社内検査の際に、ピンクノイズを使って防音室の性能実験を行ったところ、外部で90dBの音が内部で67dB前後まで低減しました。周波数帯にもよりますが、23dB程の効果が得られたことになります。

    また、防音室外部の暗騒音が60dBのときに、防音室内では37~39dBの暗騒音となりました。30~40dBというと、ささやき声や深夜の郊外に近いレベルです。低減値的な話ですと無響室には及びませんが、価格や加工や組立分解などの取り回しの良さは、大きなメリットとなります。

    このくらいのサイズ感の防音室についてはここ数年で実例がかなり増えております。騒音対策に関するご相談は、騒音相談WEBツールにて承っておりますので、是非この機会にご検討ください。