工場騒音対策で重要な「騒音測定」に関する3つのポイント〜適切な対策は正しい測定から始まる〜
皆様こんにちは、製造部の大澤です。
工場騒音や設備騒音についてご相談をいただく際、
「どのくらい音が出ているのか知りたい」
「防音対策を考えているが、何から始めればいいか分からない」
といったご相談をいただくことがあります。このような場合、まず重要になるのが騒音測定です。実際の現場では、音の大きさだけでなく、どのような音が、どこから、どのように伝わっているかを把握することで、より効果的な対策につながります。
今回は、騒音測定で押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
① 音の大きさだけでは判断できない
騒音測定というと、「何dBあるのか」を確認するイメージを持たれる方が多いかもしれません。もちろん音圧レベルは重要な指標ですが、それだけでは十分とは言えません。
例えば同じ80dBでも、
・高音が中心なのか
・低音が中心なのか
によって、聞こえ方や必要な対策は大きく変わります。そのため、必要に応じて周波数分析を行うことで、より適した防音対策を検討しやすくなります。
関連ページ:人が「うるさい」と感じる周波数帯域と心理的ストレスを感じる理由~防音対策は「周波数を見る時代」へ
② 測定する場所によって結果が変わる
騒音は、測定する位置によって値が変わることがあります。
例えば、
・設備の近く
・作業者の位置
・敷地境界
・近隣住宅側
では、音の伝わり方が異なります。また、反射音や周囲の環境によっても測定結果は変化します。どこで測定するかを整理しておくことも、適切な評価につながります。
関連ページ:効果的な防音壁を設置するには~距離減衰と音の回折を理解する
③ 測定結果をどう活用するかが重要
騒音測定は、数値を知ることが目的ではありません。
測定結果をもとに、
・どこを改善するか
・どのような防音パネルを選ぶか
・どの程度の効果を目指すか
を検討することが重要になります。現場の状況に合わせて対策を組み立てることで、無駄な工事を減らし、効率的な改善につながります。
一人静シリーズの考え方
一人静シリーズでは、騒音測定の結果や設備の状況に応じて、最適な防音パネルをご提案しています。
例えば、
・低音が支配的な設備
・放熱が必要な設備
・加工が必要な設備
など、それぞれの条件に合わせて、タイプA・タイプL・タイプDなどから最適な仕様をご提案しています。単に製品を選ぶのではなく、「測定結果をどのように改善へつなげるか」という視点でご提案できることも、当社の強みの一つです。
関連ページ:一人静シリーズ(工業用)
騒音対策事例のご紹介
事例① 音源特定に苦労した大型送風機のケース
工場敷地内の大型送風機について、敷地境界線付近での騒音を近隣から指摘されたことをきっかけに調査をご依頼いただいた事例です。精密騒音計による測定では、モーター直近で約80dB、敷地境界線付近では約50dB前後という結果が得られ、距離減衰の傾向は確認できました。
しかし、工場内には複数の設備が稼働しており、「敷地境界線で観測された音が本当にこの送風機由来なのか」を数値だけで判断するのは困難でした。そこで音響可視化カメラを併用し、音のエネルギーがどの方向から到来しているかを可視化。対象設備の方向が赤色で表示されたことで、視覚的な根拠をもって音源を特定することができました。
数値による定量評価と、可視化による直感的な音源特定を組み合わせることで、思い込みによる的外れな防音工事を避け、無駄のない対策提案につなげることができた事例です。
関連記事:工場敷地内の大型送風機の騒音測定〜精密騒音計×音響可視化カメラで無駄のない防音工事を
事例② 低周波音が課題となった振動機のケース
工場内規則で騒音を80dB以下に抑える必要があるものの、周波数や振動の強さによって基準を超えてしまうことがあるというご相談から始まった事例です。振動機は低周波域の音が強く出やすいという特性があり、一般的な対策では十分な効果が得られないケースもあるため、実測とパネル設置による効果検証を同時に実施しました。
周波数(50Hz/75Hz/100Hz)、振動強度(10G~50G)、パネルの有無・厚みなど、約90パターンにおよぶ条件で比較測定を実施した結果、幅の広い厚さ42mmのパネルでは約7dBの低減が確認できた一方、厚さ70mmのパネルでは幅が不足していたために左右から音が回り込み、十分な低減効果が得られないことが分かりました。
この結果から、低音対策には「厚み」だけでなく「囲い込み」や「隙間処理」も重要であることが明らかになり、振動機の幅に合わせた特注仕様と制振シートの併用という、数値に基づいた具体的な対策をご提案することができました。
関連記事:工場内の振動機の騒音測定を実施@愛知県~貸出パネル持ち込みによる比較検証
共通して言えること
いずれの事例も、感覚や思い込みではなく、精密騒音計や可視化カメラによる客観的なデータをもとに原因を特定し、その結果に応じて対策を組み立てている点が共通しています。測定条件(場所・高さ・周波数・パネル仕様など)を丁寧に整理することが、無駄のない効果的な防音対策につながることを示す事例と言えます。
まとめ
騒音測定では、
・音の大きさだけで判断しないこと
・測定する場所を整理すること
・結果を防音対策へ活かすこと
が重要になります。
適切な測定は、効果的な騒音対策への第一歩です。
騒音問題にお悩みの際は、下記よりお気軽にご連絡ください。現場の状況や騒音測定の結果に応じて、防音工事の設計や防音パネルの選定をご提案いたします。測定から対策まで一貫してサポートいたしますので、ぜひご相談ください。顧客満足度の高い弊社の騒音対策に、ぜひご期待ください。
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