防音パネルの「選び方」で結果は変わる~ 失敗しないために見るべき3つの指標 ~
皆様こんにちは、製造部の大澤です。
工場騒音や設備騒音の対策として、防音パネルの導入を検討されるケースは多くあります。その一方で、「同じようなパネルを使ったのに結果が違う」「思ったほど効果が出なかった」といったご相談も少なくありません。
こうした差が出る大きな要因の一つが、パネルの選び方です。
防音パネルは見た目では性能の違いが分かりにくいため、適切な指標で整理しておかないと、対策の効果に差が出やすくなります。今回は、防音パネルを選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

① 透過損失(遮音性能)
まず一つ目は、遮音性能を示す「透過損失」です。
透過損失とは、音がパネルを通過する際にどれだけ減衰するかを示す指標で、dBで表されます。この数値が高いほど、音を通しにくい性能を持っています。
ただし、透過損失は「通り抜ける音」に対する指標のため、パネル自体の振動や再放射までは評価していません。
実際の現場では、透過損失の数値だけで選定した結果、数値上は改善しているものの、体感として音が残るケースも見られます。特に低音が支配的な設備騒音では、この傾向が出やすくなります。
② 面剛性(パネルが振動しにくいか)
二つ目は、パネルの面剛性です。
低音成分を含む工場騒音では、音エネルギーが大きいため、パネルに力がかかります。剛性が不足しているパネルはこの力でたわみ、振動します。
このとき発生するのが「再放射音」です。パネルが振動することで、新たな音源のように音を出してしまう状態です。その結果として、
・数値は下がっているが、音が残って感じられる
・低音だけが抜けずに残る
・パネルがビビるような音が出る
といった現象につながることがあります。
こうしたケースでは、「音を通さない性能」に加えて、「振動しにくい構造」であるかどうかが結果に影響します。
③ 内部構造(減衰・共振対策)
三つ目は、パネル内部の構造です。
内部に減衰機構がない場合、パネル内部で音エネルギーが反射し、共振が発生することがあります。この共振も、体感として音が残る原因になります。
一方で、内部に多孔質材料や減衰構造を持つパネルは、音エネルギーを分散・吸収しやすく、共振を抑える効果が期待できます。
遮音・剛性・減衰の3つがバランスよく成立しているかどうかが、実際の効果に影響してきます。
一般的な防音パネルとの違い
一般的な防音パネルは、透過損失(遮音性能)の数値を重視して設計されているものが多く見られます。
そのため、面剛性や内部減衰が十分でない場合、低音環境ではパネルが振動し、再放射音が発生することがあります。
見た目やカタログスペックが似ていても、構造によって結果が変わる理由は、この点にあります。
一人静シリーズが選ばれる理由
一人静シリーズの防音パネルは、囲い型の対策を前提に、構造面から設計を行っています。
ハニカム構造によって面全体の剛性を確保し、音や振動を受けてもたわみにくい構造としています。さらに、発泡樹脂を充填することで内部損失を持たせ、音エネルギーを分散・減衰させます。
このような構造により、
・パネル自体が振動しにくい
・再放射音が発生しにくい
・低音が残りにくい
といった効果につながり、体感としての静かさにもつながりやすくなります。
関連ページ:一人静シリーズ(工業用)
関連記事: 軽くて静かな「一人静パネル」の設計~ハニカム構造と発泡樹脂充填による内部構造がもたらす効果
まとめ
防音パネルを選定する際は、
・透過損失(遮音性能)
・面剛性(振動しにくさ)
・内部構造(減衰性能)
といったポイントを整理しておくと、対策の方向性が明確になります。
工場や設備の騒音対策では、「どのパネルを使うか」によって結果が大きく変わるケースも少なくありません。数値だけで判断するのではなく、構造まで含めて検討することが、効果につながりやすくなります。
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