防音パネルの厚みと性能に関する3つの誤解〜厚ければ静かになるとは限らない〜
皆様こんにちは、製造部の大澤です。
防音パネルをご検討されるお客様から、
「厚いパネルの方がよく音を止められるのでは?」
「薄いパネルだと防音性能が低いのでは?」
といったご質問をいただくことがあります。
確かに、防音性能と厚みには関係があります。しかし、実際の防音対策では「厚ければ高性能」と単純に言い切れないケースも少なくありません。
今回は、防音パネルの厚みと性能について、よくある3つの誤解をご紹介します。

① 厚いパネルほど防音性能が高いとは限らない
一般的に、防音材は厚みや重量が増えることで遮音性能が向上する傾向があります。
しかし、防音パネルの性能は厚みだけで決まるものではありません。
例えば、同じ厚みのパネルでも、
・内部構造の違い
・使用している材料の違い
・剛性の違い
によって性能は大きく変わります。
また、厚みが増えてもパネル自体が振動しやすい構造であれば、十分な効果につながらない場合もあります。
そのため、防音パネルを選定する際は、厚みだけでなく構造全体を見ることが大切です。
② 重いパネルなら安心というわけではない
防音対策では「重い方が音を止められる」という考え方があります。
これは遮音性能を考えるうえで間違いではありませんが、重量が増えることで別の課題が発生することもあります。
例えば、
・施工時の負担が大きくなる
・既存設備への負荷が増える
・メンテナンス性が悪化する
といった点です。
特に工場設備では、設備周辺で定期的な点検や部品交換が必要になるため、防音性能だけでなく作業性も考慮する必要があります。
重量だけを追求した結果、運用面で不便になるケースも少なくありません。
関連ページ:低音の防音対策について~低音の特性を知った上で「一人静シリーズ」のパネルを有効活用
③ 薄いパネルは性能が低いとは限らない
近年は、構造を工夫することで、薄型・軽量でありながら高い性能を持つ防音パネルも増えています。
重要なのは単純な厚みではなく、
・振動しにくいか
・共振しにくいか
・音エネルギーを減衰できるか
という点です。
特に低音成分を含む設備騒音では、パネル自体が振動して音を再放射してしまうケースがあります。
そのため、厚みを増やすだけではなく、パネルの剛性や内部構造まで考慮することで、より安定した効果につながりやすくなります。
関連ページ:軽くて静かな「一人静パネル」の設計~ハニカム構造と発泡樹脂充填による内部構造がもたらす効果
一人静シリーズの考え方
一人静シリーズは、ハニカム構造を採用することで、高い剛性と軽量性の両立を図っています。
一般的には、防音性能を高めようとすると重量が増える傾向がありますが、一人静シリーズでは構造そのものを工夫することで、薄型・軽量でありながら振動しにくいパネルを実現しています。
さらに、内部には発泡樹脂を充填しており、音エネルギーを内部で減衰させることで、共振や再放射の抑制にも配慮しています。
また、アルミ素材を採用しているため、
・開口部の追加
・換気ファンの取り付け
・設備に合わせた加工
などにも対応しやすく、現場ごとの条件に合わせた設計が可能です。
タイプDについては放熱性も考慮した構造となっており、設備から発生する熱への配慮が必要な環境でも導入しやすくなっています。
関連ページ:一人静シリーズ(工業用)
まとめ
防音パネルは、
・厚ければ高性能
・重ければ安心
・薄いと性能が低い
とは一概には言えません。
実際の防音性能は、厚みだけでなく、剛性や内部構造、施工条件などによって大きく変わります。
そのため、防音対策を検討する際は、単純な寸法や重量だけで判断するのではなく、パネル全体の構造や使用環境まで含めて検討することが、より効果的な対策につながります。
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