工場内の振動機の騒音測定を実施@富山県~貸出パネル持ち込みによる比較検証
こんにちは。ソリューション事業部の山田です。
先日、現地調査のため富山県へ伺いました。数日前までは大寒波の影響があったとのことで、現地は一面の雪景色。普段なかなか目にすることのない光景に、思わず足を止めて見入ってしまいました。せっかくの富山ということで、昼食は海鮮を選択。中でも白エビは初めていただきましたが、上品な甘みがあり、とても印象に残る味でした。
さて、本日は工場内で実施した振動機の騒音測定についてご紹介いたします。
案件の経緯
本件は、振動機を使用されているユーザー様からのご相談でした。
「工場内規則で騒音を80dB以下に抑える必要があるが、周波数や振動の強さによって基準を超えてしまうことがある。正確な数値を測定し、対策の方向性を明確にしたい」というご要望です。
振動機は特に低周波域の音が強く出やすく、一般的な対策では十分な効果が得られないケースもあります。そのため今回は、実測による数値確認と、パネル設置による効果検証を同時に行うことになりました。
測定仕様と方法
当日は貸出用パネルを持参し、精密騒音計を用いて測定を行いました。使用したパネルは以下の2種類です。
・一人静タイプL 厚さ70mm(1005mm×1005mm)
・一人静タイプL 厚さ42mm(2005mm×1005mm)
振動機は低音域のエネルギーが大きいため、吸音性能の高い一人静タイプLを選定しています。
測定は、対象機器から1m離れた位置で実施。高さは1.2m~1.5mを基準とし、パネル有り・無しの条件で比較を行いました。
測定の様子
今回は先方からのご要望により、
・周波数:50Hz/75Hz/100Hz
・振動強度:10G~50G(5段階)
・測定高さ:80cm(機器高さ)/150cm(耳の高さ)
・パネル条件:無し/70mm/42mm
という条件で測定を実施。合計約90パターンに及ぶ検証となりました。
実際の流れは、
① パネル無しで高さ2パターン測定
② 厚さ70mm設置 → 高さ2パターン測定
③ 厚さ42mm設置 → 高さ2パターン測定
これを各周波数・各強度ごとに繰り返しました。測定時間は約2時間半。周囲環境の影響を考慮しながら、安定したデータ取得を行いました。
測定結果と考察
測定後は、専用プログラムにてデータを整理し、グラフ化した報告書を作成。今回はパターン数が多かったため集計に時間を要しましたが、約2日で提出いたしました。結果として、
・一人静タイプL 厚さ42mm(2005mm幅) → 約7dB低減
・厚さ70mm(1005mm幅) → 十分な低減に至らず
という結果になりました。70mmは厚み自体は優れているものの、幅が不足していたため、左右から音が回り込む現象が発生。特に低音域では回折の影響を受けやすく、隙間や開口部の影響が顕著に表れます。
低音対策は「厚み」だけでなく「囲い込み」「隙間処理」も重要であることが、今回の測定で明確になりました。
今後の対策提案
今回の検証結果から、
・振動機幅に合わせた特注加工
・一人静タイプL厚さ70mm
・制振シート併用
この仕様であれば、目標である80dB以下への低減が可能であると判断し、ご提案いたしました。貸出パネルによる事前検証を行ったことで、感覚ではなく「数値に基づいた対策案」を提示できた点は、大きな意義があったと感じています。
まとめ
騒音対策は、実際に測定してみなければ分からない要素が多くあります。発生している音の周波数特性、振動条件、回り込みの影響などを把握することで、初めて最適な対策が見えてきます。
静科では、貸出パネルを持参した実地検証や騒音測定を行い、具体的な数値に基づいたご提案をしております。
「基準値を超えているが、何から手を付ければいいか分からない」そのようなお悩みがございましたら、騒音相談WEBツールよりぜひ一度ご相談ください。現場での測定から、解決への糸口を一緒に探していきます。