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株式会社静科

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    屋外ポンプ9台の騒音対策@富山県~「一人静タイプL」仕様の4面体防音カバー(背面開口)で約15㏈低減に成功

    こんにちは、ソリューション事業部の山田です。

    先日、現地調査で富山県へ伺いました。これまで北陸方面へはなかなか訪問する機会がありませんでしたが、今年に入りご縁をいただき、2月から毎月訪問しております。5月も訪問予定となっており、今後は北陸エリアへの展開も広げていければと考えております。

    さて今回は、その富山県で実施した防音工事についてご紹介いたします。

    案件概要:敷地境界線の基準値越えを防ぐ対策

    本案件は、敷地外境界線における騒音基準値超えを防ぐことを目的とした対策です。以前ご紹介した冷却水ポンプの防音壁対策を行ったお客様より、別設備についてもご相談をいただきました。

    敷地外境界線へ伝わる騒音を抑えることを主な目的としつつ、屋外機器ならではの熱ごもりや既存基礎の勾配にも配慮しながら、防音カバーを設計・設置した事例です。

    屋外に設置されたポンプ設備は、工場や事務所、住宅に近接するケースも多く、稼働音が敷地境界へ影響を及ぼすことがあります。今回の現場では、ポンプが合計17台並んでおり、そのうち9台を対象に防音カバーを設置いたしました。1台あたりの音は大きくないものの、複数台が同時に稼働することで音が重なり、結果として騒音問題につながっていました。また、敷地境界線が近いこともあり、早急な対策が求められていました。

    設計ポイント:施工性・費用・メンテナンス性を考慮した仕様

    今回の現場では、ポンプが3台ずつ基礎に設置されていました。そのため、1台ごとに個別対応するのではなく、基礎単位でまとめて防音カバーを設置する仕様をご提案いたしました。

    設置前の様子

    この方法により、施工性・費用・メンテナンス性のバランスを取りながら、効率的な防音工事を実現しております。3台をまとめて囲うことで、施工全体に統一感が生まれ、部材計画や施工手順も整理しやすくなりました。また、点検や保守作業にも配慮し、必要な範囲に絞った設計としています。

    対策仕様:背面開口の4面体の防音カバーで熱ごもりにも対応

    本案件では、背面を開口とした4面体の防音カバーを採用いたしました。

    設置後の様子

    敷地境界線方向へ向けた遮音を重視しつつ、背面を開口とすることで通気性を確保し、屋外設備特有の熱ごもりを防ぐ設計としています。防音工事では遮音性能を優先するあまり、密閉に近い構造にしてしまうケースもありますが、それにより設備の温度上昇という別の課題が発生することがあります。そのため、騒音の伝播方向と放熱性能の両立を意識した設計が重要となります。

    背面からの様子

    また、既存基礎には水勾配が設けられていたため、その条件を活かした施工といたしました。スペーサーを用いて高さを調整し、防音カバーの据え付け精度を確保しております。これにより、大掛かりな基礎改修を行うことなく、現場条件に適した納まりを実現しました。既設設備の防音対策では、このような現場ごとの条件対応が非常に重要となります。

    設置結果:騒音測定結果と導入後の効果

    施工後には騒音測定を実施し、効果を確認いたしました。測定時には、ポンプ稼働音と周囲の暗騒音との差がほとんど確認できなかったため、暗騒音除去を行ったうえで評価しております。その結果、約15dBの騒音低減を確認することができました。

    一般的に、設備音と暗騒音の差が10dB以上ある場合は単純比較が可能ですが、差が小さい場合は環境音の影響を考慮する必要があります。特に屋外では、風音や他設備の音などが影響するため、正確な評価には音響測定の知見が求められます。今回のように差が3dB程度の場合、そのままの測定値では正確な評価が難しいため、暗騒音除去を行うことで実際の低減効果を適切に把握しています。

    約15dBの低減は、体感としても明確に変化を感じられるレベルであり、敷地境界における騒音対策として十分な成果を得ることができました。

    まとめ:静科のサービスやお問い合わせについて

    今回の防音対策では、単に防音壁や防音カバーを設置するのではなく、騒音の方向性、設備の放熱、既存基礎の勾配といった複数の条件を整理したうえで設計を行いました。

    防音工事は「囲えばよい」というものではなく、現場ごとに最適な設計を行うことが重要です。熱対策を優先するのか、敷地境界での遮音を重視するのか、あるいはメンテナンス性を考慮するのかによって、最適解は変わります。

    弊社では、現場状況を丁寧に確認し、必要に応じて騒音測定を行いながら、防音工事や防音カバーの設計・施工をご提案しております。既製品に頼るのではなく、対象設備や環境に合わせた柔軟な対応が可能です。屋外ポンプをはじめ、発電機やコンプレッサー、大型室外機などの産業機械における騒音問題にも多数の実績がございます。

    今回は、屋外ポンプ9台に対する防音対策についてご紹介いたしました。敷地境界への騒音対策と熱ごもり防止を両立した設計により、現場条件に適した防音工事を実現しております。

    設備騒音でお困りの際は、現地確認や騒音測定から対応可能ですので、お気軽にご相談ください。騒音相談WEBツールからのお問い合わせもお待ちしております。