送風機排気ラインの騒音対策 ~「一人静タイプL 」を使用した6面体のサイレンサーにより8〜10dBの低減に成功
皆様こんにちは。製造菩の大澤です。
昼休みに公園でおにぎりを食べていたら、鳩がじっとこちらを見ていました。一粒でも落とすと寄ってくるのは分かっているので、慎重に食べていたら最後まで一粒も落とさずに完食。鳩は無言のまま去っていきました。なんだか、静かな勝負に勝った気分です。
話は変わりまして、工場内の送風機や集塵機などから発生する騒音は、作業環境の快適性を大きく左右します。今回ご紹介するのは、送風機の排気ラインに発生していた低〜中音域の騒音を抑えるために、「一人静タイプL」を用いたサイレンサーで対策を行った事例です。
設置前の課題
送風機稼働時には排気ラインより低音域のこもった音が発生し、近くでの会話が難しいほどの音圧レベルでした。従業員からも「作業中に声が通らない」「耳障りな振動音が響く」といった声が上がっており、騒音対策の必要性が高まっていたそうです。

サイレンサーの仕様
- 一人静タイプL(t70mm)使用 6面体サイレンサー
- 外寸:幅660mm×奥行660mm×高さ660mm
- 内寸:幅613mm×奥行508mm×高さ513mm
- 開口サイズ:φ350mm
- 天面にLアングルを取り付けボルト固定
今回採用したのは、弊社の「一人静タイプL(t=70mm)」を使用した6面体サイレンサーです。両側面にはφ350mmの貫通穴を設け、ダクトラインをそのまま通せる構造としました。
天面にはLアングル取付用のφ10mm穴を設け、写真のようにワイヤー吊りで上部から固定。工場の限られたスペースでも干渉せず設置できるよう設計されています。吸排気の妨げにならないよう、開口部には内部処理を施し、気流を乱さずに騒音のみを効果的に吸収できる構造となっています。
設置後の効果
設置後の測定では、送風機稼働時の騒音レベルが8〜10dB低減し、特に500Hz〜1kHz付近の中音域で効果が明確に現れました。これにより、作業者の会話が容易になり、耳への負担も軽減。現場からは「以前は話すたびに声を張り上げていたが、今では普通の声で会話できる」との声が寄せられました。単なる数値的改善にとどまらず、作業環境の快適性向上という実感を伴う効果が得られています。
まとめ
今回のように、送風機やダクトラインからの騒音は機器の性能維持と作業環境の両立が求められるため、後付けできるサイレンサーが効果的です。「一人静タイプL」は、軽量・高耐久・メンテナンス性に優れた防音材を使用しており、設置スペースや機器形状に合わせたオーダーメイド対応が可能です。
お問い合わせは、騒音相談WEBツールにて承っております。騒音でお困りの際は、現場調査から測定・設計・製作・設置まで一貫対応できる、静科までぜひご相談ください。
