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株式会社静科

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    2017-05-05

    吸音材メーカーが考える『オーディオの音を10倍改善する方法』

    こんにちは、ソリューション事業部です。

    オーディオや音楽にこれまでこだわりのなかった私ですが、世界的に活躍されるマスタリングの方とSHIZUKA Stillness Panel(SSP)」の開発を機に、音響関係を学ぶことが多くなりました。また、プロフェッショナルで音楽を聴く・製作する方とオーディオの世界を追及される方には、共通の環境が求められていることを知りました。

    音環境・オーディオの音質を向上させるルームチューニング方法

    吸音材メーカーだからわかる吸音効果を基に、今回はプロの方やハイエンドオーディオユーザーの方から教わった、初めてでも挑戦できる、ルームチューニングによる音環境・オーディオの音質をさらに向上させる方法をご紹介いたします。

    関連ページ①:SHIZUKA Stillness Panel(SSP)特設サイト

    関連ページ②:SHIZUKA Stillness Panel(SSP)製品紹介ページ

    ①部屋環境の選び方

    これはマスタリングをされている方に教わりましたが、反射(フラッターエコー)は、部屋が正方形になるほど起こりやすいため、音楽を聴く部屋では正方形を避けるようにしたほうがよろしいかと思います。

    また、天井が低い場合もフラッターエコーは起こりやすくなるとのことです。天井に段差があったり、床にカーペットなどを敷くことで、フラッターエコーの軽減が可能になります。

    ②聴く位置について

    素人の私には、オーディオの音を聴く場所の判断がつきませんでした。これはハイエンドオーディオユーザーの方に教わりましたが、部屋の中央で問題ないそうです。ただし、部屋のルームチューニングが整っていないと、中央にいる分だけ、左右背面壁のフラッターエコーの影響を受けやすくなります。

    スピーカーに近づくとピュアな音がわかりますが、離れれば離れるほど不純物を感じるようになります。この不純物を取り除くのが吸音材・調音材になります。

    ③吸音材・調音材の選び方と音響調査について

    私の知る限りでは、吸音パネルと調音パネルの性能による大きな違いはございません。調音材にもフェルトタイプや金管タイプなどありますが、基本的には吸音を行い調音をします。あえて違う点を言えば、調音材はおおよそ125Hz~4000Hzの部分で50~70%の吸音をおこない、部屋の安定化を図るそうです。

    調音材という名称から、ルームチューニングに良い影響を与えそうな印象ですが、実際には、室内での残響時間で高音が目立つのか、もしくは低音が目立つのかで、吸音材・調音材を選ぶ必要があります。つまり、その部屋の特質を知る必要があります。

    本格的な音響調査もありますが、目安程度であればスマホアプリでも残響時間を確認できるのでお試しください。ちなみに、私の自宅の部屋では2000~4000Hzの残響時間が、基準の2倍になってました。クラシックなどの高音は、この部屋で聞くと原音の2倍響くことになります。

    関連サイト:残響時間を確認できるスマホアプリ

    ④吸音素材の選定とアイディアについて

    基本的にウレタンなどは高音域、グラスウールなどの繊維系は中高音域の吸音効果があります。低音の場合は耳に聞こえにくい振動部分があるので、インシュレーター(絶縁体)などで、振動処理ができている場合は低音を感じにくいかもしれません。

    しかし、空気振動による低音もありますので、この部分のバランスを整えないと自己満足に終わってしまいます。低音処理はウレタンで300mm程度の厚さ、グラスウールで150mm程度を必要とするようです。

    また、吸音素材の上に穴あけボードを取り付けることで、共鳴を起こして低音を抑える方法もあります。穴の大きさによって吸収できる低音の周波数が変わります。実はこの方法は、工場の低音吸音対策などに使用しています。当社では工場の低音処理も行っており、この辺りは科学的に解明できます。

    さらに安価な対策方法として、卵パックを壁に付ける方法もあるようですが、これはほとんど吸音効果がないといえます。凹凸で紙仕様の卵パックの場合、吸音しやすそうな見た目ですが、本来吸音する部分がコーティングされているため、残念ながら吸音できません。

    仮にコスト優先で考えるのなら、卵パックの代わりに、厚さ3mmのフェルトを2重にして壁に取り付ける方が効果的です。

    ⑤フラッターエコーの処理について

    フラッターエコーは、マスタリングなどのモニター環境では雑音としてとらえますが、ハイエンドオーディオの場合は、ほどほどに残しておくことで、絶妙な音場を作りあげることができます。フラッターエコーの不要な部分を取り除くことで、ご自身にあった環境を構築できます。

    例えば、高音域が目立って低音域が小さい場合は、スピーカー背面の壁に吸音材を取り付けるのがおすすめです。この対応により、音はほぼスピーカー部分からしか聞こえなくなります。次にご自身の背面の壁に吸音材を取り付けます。この対応がないと、ご自身の聴いている位置を飛び越えて、反射した音がまた聞こえてしまいます。

    関連ページ:フラッターエコー(定在波)とは?~フラッターエコー対策には調音パネル【SHIZUKA Stillness Panel】

    窓がある部分も注意が必要です。窓はフラッターエコーの友達と言えます。このような場合、フラッターエコー対策として、防音カーテンを使うことを考えらる方もいらっしゃるかもしれませんが、その必要はございません。防音カーテンは室外の音を中に入れない様になっているため、吸音よりも遮音に重きをおいた仕様となっています。防音対策に鉛を使うケースがありますが、スピーカーの周囲においたら反響してしまうのと同じ原理になります。

    窓には2重にしたカーテン生地で高音域の吸音が可能です。ちなみに、遮光カーテンは裏打ちしているものは吸音効果が低いので、裏打ちしていない素材が有効です。また、できるだけ毛足の長いカーペットも有効です。

    以前、残響時間測定を行ったときに、部屋のコーナー部分で異様に低音と高音の反射が起こっていることに気づきました。部屋中央で聞いているとわかりにくいので、ルームチューニング後には、手を叩きながら部屋の周囲を確認することで反響具合が分かります。鳴き龍の原理と同様で手を叩くとパチーーンと響きます。

    関連ページ:鳴龍の秘密~フラッターエコー

    オーディオの音を10倍改善する吸音材とは?

    最後にお部屋の残響時間を確認して、低音・高音の吸音効果のある吸音材を選ばなければいけません。当社のSHIZUKA Stillness Panelは、低音、中高音域を吸音できるので、これ一枚でルームチューニングが完了してしまいます。SHIZUKA Stillness Panelはアルミ製と、持ち運びが容易にできるSDMがあります。どちらも幅広い音域の吸音に効果的ですので、設置する場所や雰囲気に合わせてご検討くださいませ(ちなみに、レコーディングではSHIZUKA Stillness Panel、オーディオの視聴であればSDMがおススメです。)

    また、高音域が問題なら「SSP-E15」、中高音域であるなら「SSP-E38」がおすすめです。オーディオユーザーの方であれば、弊社製品はオーディオ雑誌でも見たことない!と思われるかもしれませんが、現在Amazonでの販売をメイン行っております。どちらの製品もカッターで好きな大きさに切断でき、背面に粘着面がついておりますので、後付けでも壁に設置できます。

    おかげ様で在庫切れになるほど、音楽関係の方々にご購入いただいております。弊社製品の効果がご不安な場合は、SSPのみ無料貸し出しサービスも行っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。また、吸音以外に、ご自宅をの既存の壁の遮音性能を向上させる、あるいは、室内に防音室をつくるなど、対応も可能でうので、これから環境づくりを行いたい方も、お気軽にお気軽にお問い合わせくださいませ。

    関連ページ:SHIZUKA Stillness Panel(SSP)の無料貸し出し

    Amazon販売ページはこちら

    SHIZUKAシリーズ  / SHIZUKA Stillness Panel / SSP-E15/SSP-E38

    平よりは波模様の方が効果あり

    チクチクするのが難点のグラスウール

    意外に効果のない卵パック

    選ぶのは毛足が長くて部屋に合うもの

    2重で吸音効果アップ

    残響時間測定中。壁の緑色が吸音材