実環境での吸音性能とは?~カタログの数値が全てではありません
こんにちは、製造部岩崎です。
さっそくですが、今回の記事では、カタログの数値だけでは分かりづらい「実環境での吸音性能」についてのお話させて頂こうと思います。
吸音性能は”試験の数値”だけでは決めきれない
吸音性能というと、カタログや資料に書かれた数値を思い浮かべる方も多いかもしれません。もちろん、その数値は材料そのものの特徴を知るうえで大切です。ですが、実際に使う場所がオフィスなのか、自宅なのか、会議室なのかによって、音の感じ方は大きく変わってきます。
たとえば、同じ吸音材でも、広い部屋に少しだけ使った場合と、壁や天井にまとまった面積で使った場合では、感じる効果は同じではありません。床や壁が硬いのか、家具が多いのか、天井が高いのかといった条件でも、音の反射のしかたは変わります。
そのため、実環境で吸音性能を考えるときは、「この材料は数値が良いから大丈夫」と単純に決めるのではなく、実際の空間の中でどう音が響くかを見ることが大切です。試験の結果は出発点として重要ですが、実際の使い方まで含めて考えてこそ、本当に役立つ評価につながります。
実環境では、音の“響き方”を見ることが大切です
実際のオフィスや自宅で吸音性能を考えるときに大事なのは、「どれだけ音を吸うか」だけではなく、その空間で音がどう残るかです。
ここで関係してくるのが、残響時間という考え方です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単にいうと「音が出たあと、その響きがどのくらい空間に残るか」を見る目安です。残響時間が長いと、話し声や物音がいつまでも残るように感じやすく、会話が聞き取りにくくなることがあります。逆に、残響時間が適度に抑えられると、音の響きが落ち着き、声が聞き取りやすくなります。
たとえばオフィスでは、会議室で声が反響して話しづらい、電話の声が周囲に広がって気になる、といった困りごとがあります。自宅でも、フローリング中心の部屋ではテレビの音や生活音が響きやすく、「音が大きい」というより「音が残る」と感じることがあります。
つまり、実環境での吸音性能は、単純に音量を下げる話ではなく、空間の中の響きを整えることに近いものです。だからこそ評価するときも、「静かになったか」だけでなく、「声が聞きやすくなったか」「音が響きすぎなくなったか」といった見方が大切になります。
製品は置き方や使い方まで含めて考える必要があります
吸音材や吸音製品は、材料単体で見るだけでは足りません。実際には、どこに、どのくらい、どんな向きで設置するかによって、効果の感じ方は変わります。
たとえば、壁に貼るのか、机の上で囲うように使うのか、ワークスペースの近くに置くのかでも、音への効き方は違ってきます。会話のしやすさを良くしたいのか、生活音の反射を減らしたいのかによっても、適した設置場所は変わります。面積が小さければ変化は限定的ですし、設置場所が合っていなければ、数値ほどの効果を感じにくいこともあります。
つまり、実環境で製品を評価するときは、「この製品の性能はどうか」だけではなく、この空間で、この使い方をしたときにどう感じるかまで考えることが大切です。吸音性能を実物ベースで考えるとは、材料の性能を見るだけでなく、製品として空間の中でどう働くかを見ることだといえます。
室内向けの吸音対策では、用途に合った製品選びも大切です
実環境での吸音を考えるときは、数値だけでなく、どこに設置するか、どう使うかに合った製品を選ぶことも重要です。
たとえば、壁面を使って室内の反響音を抑えたい場合には、SHIZUKA Grace タイプSのような壁付けタイプが考えやすいです。タイプSは屋内・室内向けの吸音材で、壁に設置することで反響音を低減し、電話やWEB会議の声を聞きやすく・話しやすくし、外部への音漏れ軽減にも役立つと案内されています。石膏ボードには金具、鋼製パーテーションにはマグネットが選べるので、オフィスや書斎などでも使い分けしやすい製品です。

一方で、機能だけでなく見た目も重視したい空間には、SHIZUKA Grace TypeDecoriも合いやすいです。TypeDecoriは、凸凹のある吸音面によって効率的な吸音と拡散をねらった貼り付けタイプで、木目調のデザインを持ちながら、オフィス・スタジオ・住宅など幅広い空間で使えるとされています。特に中~高周波数帯域に配慮した設計と案内されているため、実環境での「耳障りな反響音」を整えたい場面とも相性が良いです。

また、机まわりや個人ワークスペースのように、壁全体ではなく人の近くで使いたい場合には、SHIZUKA Grace タイプDSのような折りたたみ式も考えやすくなります。タイプDSは、室内の反響音を低減し、WEB会議時の話し声を聞きやすく・話しやすくする製品として紹介されており、配線用の開口部があるため、パソコンやタブレットを使う作業にも向いています。長机や共有スペースなど、固定のパーテーションを置きにくい場面でも使いやすいのが特長です。

実環境での吸音性能は、「数値」と「使い方」を合わせて考えます
吸音性能の試験値は、材料や製品の特徴を知るために大切です。ですが、実際のオフィスや自宅では、それだけで快適さが決まるわけではありません。音の響き方、残響時間、設置場所、使う面積、周囲の内装など、さまざまな条件が重なって、最終的な聞こえ方が決まります。
そのため、実環境での吸音性能を考えるときは、数値を見ることと、実際の使い方を見ることの両方が必要です。オフィスであれば会話のしやすさや電話音の広がり方、自宅であれば生活音やテレビ音の響き方など、目的に合わせて見ていくことが大切です。
吸音は、単に「音を消す」ためのものではありません。空間の中で音が過度に反射しないようにして、過ごしやすさや聞き取りやすさを整えるための考え方です。室内の反響音対策をご検討の際は、SHIZUKA Grace タイプS、TypeDecori、タイプDSのように、設置場所や使い方に合わせて選べる室内向け吸音製品も、あわせて静科ホームページでご覧いただければと思います。