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株式会社静科

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    工場の騒音は“音の大きさ”だけで決まらない~音の感じ方と防音対策の考え方

    こんにちは、製造部岩崎です。

    さくらも散ったばかりですが、夏の気配を感じるような暖かさですね。年々春の期間が短くなっており残念なような、もっと言えばうんざりするような気持ちです。

    さて、本日の記事では音の性質として「音の感じ方と、防音対策の考え方」に焦点をあててお話したいと思います。

    騒音は「何dBか」だけでは語れません

    工場の騒音というと、まず思い浮かぶのが「何dBあるのか」という数値です。もちろん、騒音の大きさを把握するうえでdBはとても重要な指標です。しかし実際の現場では、同じくらいの騒音レベルでも「それほど気にならない音」と「なぜかとても気になる音」があります。つまり、工場の騒音は音の大きさだけで決まるわけではありません。

    たとえば、高めの音は耳につきやすく、鋭く感じられることがあります。一方で、低めの音は耳障りさが少ないように思えても、空間に響いたり、体にまとわりつくように感じたりすることがあります。また、短時間だけ出る音よりも、ブロワーやモーターのように連続して鳴り続ける音のほうが、作業者にとって疲れやすいこともあります。

    このように、騒音を考えるときは「どれくらい大きいか」だけでなく、「どんな音なのか」まで見ていくことが大切です。

    なぜ同じような音でも、感じ方が違うのか

    その理由のひとつが、音の性質の違いです。音には高い音もあれば低い音もあり、さらに連続音、変動音、反響しやすい音など、さまざまな特徴があります。人は単純な数値だけではなく、こうした音の質の違いによって、うるささや不快感を感じています。

    たとえば、工場内で気になりやすい音には、次のような特徴があります。

    • 高い音
      耳につきやすく、鋭く感じられる音です。金属音や風切り音のように、「キーン」「シャー」といった印象を持たれやすく、数値以上にうるさく感じることがあります。
    • 低い音
      耳障りさは強くなくても、空間に響きやすく、身体にまとわりつくように感じることがあります。モーター音やブロワー音のように、重たく残る印象の音がこれにあたります。
    • 連続音
      一定の音が鳴り続けるタイプの音です。ブロワーや送風機、ポンプなどでよく見られ、慣れてしまうようでいて、実際には疲労感や会話のしにくさにつながることがあります。
    • 変動音
      音の大きさや調子が変化する音です。一定ではないぶん注意を引きやすく、作業中でも気になりやすい傾向があります。回転数の変化や負荷変動にともなう音が代表的です。
    • 反響しやすい音
      機械そのものの音だけでなく、壁・床・天井・架台などに反射して広がることで、実際以上に大きく感じられる音です。工場の広さや構造によっては、「音源よりも空間全体がうるさい」と感じる原因にもなります。

    さらに工場内では、機械そのものの音だけでなく、床や壁、架台、配管などを通じて振動や音が伝わることがあります。そのため、測定値以上に「響く」「こもる」「遠くまで聞こえる」と感じることも少なくありません。設備によっては、音源そのものより、周囲の構造物との組み合わせで気になる音になっている場合もあります。

    だからこそ、騒音対策では「大きい音を小さくする」という発想だけでなく、その音がどう聞こえているのかを考えることが重要になります。

    防音対策は、音の性質に合わせて考える

    騒音対策というと、防音材を取り付ければ終わりと思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。中でも重要なのはが、どのような音に対して、どのような種類の防音材を選ぶかという点です。工場内の騒音には、高い音が耳につくケースもあれば、低い音が空間に響いて気になるケースもあり、音の性質によって適した対策は変わってきます。

    たとえば、比較的中~高音域の騒音が気になる場合には、一般的な設備騒音対策として使いやすい「一人静タイプA」が選択肢になります。一方で、ブロワーやモーターのように低い音や響きやすい音が問題になる場合には、「一人静タイプL」のような低音域を意識したパネルを検討することが重要です。

    もう一つ重要なのが防音材の形状です。例えば騒音源が高い音であればパーティションなど、壁を設けるだけでもそれなりの防音効果が望めます。しかし、低い音は回折(壁を回り込む性質)が強いため、パーティションだけでは不十分で、なにかしら囲いを作る必要性が高まります。

    このように、防音対策では「とりあえず何かで囲う」のではなく、対象となる音に合わせてパネルの種類や形状を選ぶことが大切です。高い音が気になるのか、低い音が響いているのかによって選定の考え方は変わるため、音の性質を見極めたうえで仕様を決めることが、より効果的な対策につながります。

    “気になる騒音”には理由がある

    工場の騒音は、単純にdBの数字だけで判断できるものではありません。同じようなレベルの音でも、高い音は耳につきやすく、低い音は響きやすく、連続音は疲れやすいなど、感じ方には違いがあります。だからこそ、「数値はそこまで高くないのに気になる」「測定値以上にうるさく感じる」といったことが起こります。

    防音対策を考えるときは、音の大きさだけでなく、周波数帯や響き方、設置環境まで含めて見ていくことが大切です。音の性質に合った対策を行うことで、はじめて実用的な改善につながります。

    静科では、こうした考え方をもとに、防音パネル、防音カバー、防音ボックスなど、対象設備や設置環境に合わせた対策をご提案しています。図面や写真をもとにした打合せ、現場調査をもとにした防音プランのご提案なども承っております。工場内の騒音でお困りの際は、ぜひ静科ホームページもご覧ください。