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株式会社静科

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    防音対策の効果を左右する「音の伝わり方」~囲いが活きる場合と工夫が必要な場合

    皆様こんにちは、製造部の大澤です。

    これまでのブログでは、「囲ったのにうるさい理由」や「低音が止まりにくい理由」についてお話ししてきました。今回は少し視点を変え、防音対策の効果を大きく左右する“音の伝わり方”について整理してみたいと思います。

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    騒音対策というと、まず思い浮かぶのが「パネルで囲う」という方法です。実際、この方法は非常に有効で、多くの現場で効果を発揮しています。しかし、同じように囲っても結果に差が出ることがあります。その違いを生むのが、音の伝播経路です。

    音には「伝わる道」がある

    音は単に空気中を広がるだけではありません。設備が稼働するとき、音と同時に振動も発生します。その振動が床や基礎、架台を通じて建屋へ伝わると、別の場所でわずかな振動が起こり、そこから音として放射されることがあります。このように音には空気中を伝わる経路、構造体を通じて伝わる経路といった複数の“道”があります。

    空気中を主に伝わっている場合は、囲いによって効果的に抑えることができます。一方で、構造体を通じて広がる成分が大きい場合は、囲いだけでは体感的な改善が小さく感じられることがあります。

    囲いが活きるかどうかは「設計」で決まる

    ここで重要なのは、「囲いが無意味になる」ということではありません。

    音の伝播経路を踏まえたうえで、囲いをどう設計するかが結果を左右します。振動の影響を受けやすい環境では、囲い自体が振動しにくい構造であることが重要になります。

    剛性が不足していると、外部からの振動や内部の音エネルギーによってパネルが動き、結果として音を再放射してしまうことがあります。これでは、囲いの効果が十分に発揮されません。

    つまり、防音対策では「囲うかどうか」だけでなく、「どのような構造で囲うか」が鍵になります

    一人静シリーズの考え方

    一人静シリーズのパネルは、囲い型の対策を前提に、振動の影響も考慮した構造設計を行っています。内部のハニカム構造により軽量でありながら高い剛性を確保し、音や振動を受けてもたわみにくい骨格を形成しています。

    さらに、発泡樹脂を充填することで、内部での音エネルギーの分散と減衰を促し、共振や鳴りを抑える構造としています。そのため、空気伝播音への対策はもちろん、振動の影響を受けやすい環境においても、囲いとしての性能を安定して発揮します。

    関連ページ:一人静シリーズ(工業用)

    囲いの効果を最大限に引き出すため伝播経路を踏まえた設計が不可欠

    防音対策の効果は、「どの製品を使うか」だけで決まるものではありません。音がどの経路を通っているのかを整理し、そのうえで適切な構造を選ぶことが重要です。囲いは非常に有効な手段ですが、その効果を最大限に引き出すためには、伝播経路を踏まえた設計が欠かせません。

    騒音対策で行き詰まった際は、「囲いがあるかどうか」ではなく、「その囲いは環境に適した構造か」という視点で見直してみることが、改善への道筋となります。

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