工場・設備の防音対策で最初に確認すべき3つのポイント~遠回りしないための具体的な手順~
皆様こんにちは、製造部の大澤です。
工場騒音や設備騒音のご相談をいただく中で、「まずは防音パネルで囲いたい」「とにかく重くすれば静かになるのではないか」という声をよく耳にします。
しかし、音源の特性や伝播経路を整理せずに防音工事を行うと、十分な効果が出ないままコストだけが増えることがあります。実際に「囲ったのにうるさい」というケースの多くは、対策の順番を誤っています。
防音対策を成功させるために、まず確認すべき3つのポイントを整理します。
① 音源の周波数特性を把握する
最初に確認するのは、音の“性質”です。
・送風機なら回転数に対応した低音が強く出ていないか
・コンプレッサーなら周期的な脈動音がないか
・モーターなら特定周波数にピークがないか
騒音計で周波数分析を行うと、どの帯域にエネルギーが集中しているかが分かります。例えば125Hz付近の低音が支配的な場合、薄いパネルや剛性の低い材料では十分に抑えられません。
音圧レベル(dB)だけを見るのではなく、「どの周波数が強いのか」を確認お願いいたします。ここを見誤ると、防音工事の方向性そのものがずれてしまいます。
② 音の伝播経路を確認する
次に確認するのは、音がどこを通っているかです。
設備稼働中に床や架台に触れると、明確な振動を感じることがあります。この場合、音は空気中だけでなく、床やフレームを通じて建屋へ伝わっています。
空気伝播音が主であれば、防音パネルによる囲いは効果を発揮します。しかし、構造伝播音の影響が大きい場合、囲い自体が振動すると音を再放射してしまいます。
囲っても改善しないケースの多くは、この伝播経路を確認せずに対策を進めています。
③ 目標値を明確にする
防音対策には明確なゴールが必要です。
・騒音規制法の基準値をクリアする
・近隣への影響を抑える
・作業者が会話できる環境をつくる
例えば85dBを75dBに下げれば数値上は改善します。しかし低音が残れば、体感としては「まだうるさい」と感じます。「規制値クリア」と「体感改善」は別の目標ですので、ここを整理しないと、対策後に不満が残ります。
一般的な囲いで起きやすい問題
低音成分が強い工場騒音では、遮音性能(透過損失)の数値だけを基準にパネルを選定すると、思わぬ問題が起きます。
面剛性が不足しているパネルは、低音エネルギーを受けたときに面全体がたわみ、振動します。その結果、パネル自体が音を再放射します。
その状態では、
・数値は下がったが体感が改善しない
・低音が残る
・ビビり音が発生する
といった問題が起きます。
単に囲うだけでは、「鳴らない囲い」にはなりません。
一人静シリーズが違う理由
一人静シリーズの防音パネルは、囲い型防音工事を前提に構造から設計しています。
ハニカム構造によって面全体の剛性を高め、音や振動を受けてもパネルがたわみにくい骨格を形成しています。さらに、発泡樹脂を充填することで内部損失を持たせ、振動エネルギーを減衰させます。
そのため、単に音を遮るだけでなく、「振動しにくく、鳴りにくい囲い」として機能します。これが、工場騒音や設備騒音の低音対策で差が出るポイントです。
関連ページ:一人静シリーズ(工業用)
まとめ
工場・設備の防音対策では、次の3点を必ず確認をお願いいたします。
- 音源の周波数特性
- 音の伝播経路
- 目標とする騒音レベル
製品のカタログ数値だけで判断せず、振動しにくい構造を選定することで、防音工事の遠回りを防ぐことができます。また、囲ったのに効果が出ない場合は、パネルの構造そのものの見直しをお願いいたします。一人静シリーズは、鳴りにくい構造によって安定した静音効果を実現します。
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