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株式会社静科

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    ブロワーのモーター騒音対策~低音域に有効な防音カバー事例

    製造部岩崎です。

    先日のサッカー日本代表、イングランドとの試合を録画で見ました。相手メンバーがそろっていなかったことはありますが、終始どちらが格上か分からない内容で圧倒していました。6月のワールドカップ本番が楽しみですね。

    さて、本日の記事では「ブロワーのモーター騒音対策」の事例をご紹介いたします。

    ブロワーとは? モーターまわりではどのような騒音が出るのか

    ブロワーは、空気を送り出したり吸い込んだりするための機械で、工場や設備機器では送風・排気・乾燥・集じん補助など、さまざまな用途で使用されています。比較的身近な設備でありながら、実際には現場の騒音源になりやすい機械のひとつです。

    ブロワーの騒音は、単純に「風の音」だけで発生しているわけではありません。主な発生源としては、まずモーターの回転にともなう機械音、羽根車が空気を移送する際の風切り音、吸込口や吐出口で生じる空気の乱れによる流体音、さらに架台や周辺配管へ伝わる振動音などが挙げられます。とくにモーターまわりでは、連続運転による一定のうなり音や低めの機械音が目立ちやすく、設置条件によっては周辺構造物に共鳴して、より大きく感じられることもあります。

    また、ブロワーは長時間運転されることも多いため、一瞬だけ大きな音が出る設備というより、持続的に聞こえ続ける騒音として作業者の負担になりやすい点も特徴です。音圧レベルだけでなく、「低い音が響く」「近くで会話しづらい」「設備が止まると静かさを実感する」といったかたちで認識されることが多く、実際の対策では騒音の大きさだけでなく音の質も意識した防音設計が重要になります。

    一人静タイプL~低音域に有効な吸遮音パネル

    今回の対策に採用したのは、静科の防音パネル「一人静タイプL」です。一人静シリーズは、現場ごとの条件に合わせて設備まわりの防音対策を行いやすい製品ですが、その中でもタイプLは標準品であるタイプAと比較して低音域に有効な仕様である点が特長です。

    ブロワーのモーター騒音では、高い音だけでなく、耳に残るような低めの回転音やうなり音が問題になることがあります。こうした音は、一般的な薄い吸音材だけでは十分に抑えにくい場合もあり、対策材の構成が重要になります。一人静タイプLは、タイプAやタイプZなどとは異なる厚みのある構成になっています。

    このように、一人静タイプLは、設備騒音の中でもとくに低音寄りの成分を含む機械騒音への対応を意識しやすい製品です。大掛かりな防音室を設けるほどではないものの、設備の近傍でしっかり音を抑えたい場合や、対象機械に合わせて形状を作り込みたい場合に向いています。今回のブロワーのように、モーター部を中心に騒音低減を図りたいケースでも、現場の形状に合わせた防音カバーとして展開しやすいのが利点です。

    4面体防音カバーで対策

    今回の案件では、一人静タイプLを使用した4面体の防音カバーとして対策を行いました。写真は社内で仮組を行った際の様子で、ブロワーのモーターまわりを囲うことを想定した構成になっています。

    特徴的なのは、単純な箱形ではなく、配管や機械本体を避けるための開口部が設けられている点です。設備の防音対策では、遮音性能だけを優先して完全に塞いでしまうと、機械との干渉が起きたり、設置そのものが難しくなったりする場合があります。そのため実際には、現場の寸法や周辺配管、架台、点検動線などを確認しながら、必要な箇所に逃げ形状や切り欠きを設けることが重要になります。

    今回の防音カバーも、設備形状に合わせて開口を設けることで、機械との干渉を避けながら、できるだけモーター騒音を包み込むような構成としています。こうした仕様は既製品をそのまま置くだけでは対応しにくく、現場ごとの寸法に合わせた加工オプションが活きる部分でもあります。開口位置やサイズ、囲う範囲、分割方法などを調整することで、設置性と防音性の両立を図ることができます。

    また、防音カバーは設置後の点検や保守も考慮する必要があります。設備によっては、将来的なメンテナンス性や着脱のしやすさも重要になるため、単に「囲う」だけではなく、実際の運用まで見据えて仕様を決めていくことが大切です。今回のような4面体カバーは、必要な面だけを効果的に構成しやすく、現場条件に合わせた柔軟な対策方法のひとつといえます。

    ブロワーのモーター騒音を形状に合わせて対策

    ブロワーの騒音対策では、風の音だけでなく、モーター由来の機械音や低めのうなり音にどう対応するかが重要になります。とくに設備周辺で音が響きやすい場合には、対象機械に合わせて囲い方を工夫しながら、適した防音材を選定することが効果的です。

    今回のように、一人静タイプLを用いた4面体防音カバーであれば、ブロワーまわりの形状に合わせて開口部を設けつつ、必要な範囲をしっかり囲うことができます。タイプLは低音域を意識した防音対策に適しており、ブロワーのモーター騒音のような連続的な設備音への対応でも、実用性の高い方法といえます。

    防音効果としては、設置条件や開口条件にもよりますが、10dB前後の低減を想定しています。体感としても変化を感じやすいレベルであり、作業環境の改善や周辺への騒音配慮につながることが期待できます。

    また、静科では今回のような設備に合わせた防音カバーの製作をはじめ、各種設備騒音に応じた防音パネル・防音ボックス・防音室などのご提案も行っています。ブロワーやモーター騒音でお困りの際は、ぜひ静科ホームページもご覧ください。