労働安全衛生法における騒音規制~作業者の健康を守るために必要な基準
こんにちは、ソリューション事業部の山田です。
最近の天気は晴れが続き、洗濯物がよく乾き嬉しいのですが、風が強く洗濯物が飛ばされないか冷や汗をかいております。先日、気づいたら物干し竿が落ちており、
さて本日は、騒音の法令についてまとめましたのでご紹介いたします。
労働安全衛生法の騒音規制とは
工場やプラント、送風機・ファンなどの設備を扱う現場では、「この騒音は法令的に問題ないのか?」という質問を受けることが少なくありません。騒音に関する法令にはいくつかありますが、作業者の健康保護という観点で重要なのが、労働安全衛生法(騒音障害防止規則)です。
今回は、労働安全衛生法における騒音の考え方と、実務上必要となる対応について、解説します。
労働安全衛生法の騒音規制の目的
労働安全衛生法における騒音規制の目的は、作業者の聴覚障害(騒音性難聴)を防止することです。よって作業者がどれだけの騒音にされているかという点が判断基準になります。この点が、騒音規制法(近隣・環境対策)との大きな違いです。
騒音レベルの基準と対応
実務で特に重要なのが、85dBという基準値です。
| 騒音レベル | 法令上の考え方 |
| 85dB未満 | 直ちに義務はないが、望ましい管理が推奨 |
| 85dB以上 | 騒音障害防止措置が必要 |
| 90dB以上 | より厳格な対策が求められる |
特に85dB以上になると、企業には明確な対応義務が発生します。
騒音レベル85dB以上で求められる主な対策
労働安全衛生法では、対策の優先順位が定められています。
① 工学的対策(最優先)
- 防音カバーの設置
- 消音器の導入(サイレンサーなど)
- 低騒音型設備への更新
②管理的対策
- 作業時間の短縮
- 作業者のローテーション
- 騒音区域の明確化
③保護具の使用
- 耳栓
- イヤーマフ
これらの取り組みは、法令遵守にとどまらず、作業者の健康維持や作業効率向上につながる重要な対策であり、設備そのものの騒音を下げる対策が基本です。保護具の使用も対策として定められていますが、優先順位は低く、耳栓だけで済ませるのは本来不十分とされています。
作業者の耳を守るために静科にできること
労働安全衛生法における騒音対策は「作業者の耳を守るためのルール」です。特に、85㏈を超えるかどうか、設備側で対策ができているかは、設備導入・更新時に必ず確認すべきポイントです。
特に工場や作業現場では、大型機械や設備の稼働により作業者が長時間騒音にさらされるリスクがあり、労働安全衛生法に基づく騒音管理は重要な課題です。
静科では、現地調査および騒音測定を行い、作業実態や設備構造を踏まえた防音対策をこれまで実施してきました。防音カバーの設計では、騒音低減性能だけでなく、放熱性や点検・メンテナンス性にも配慮し、現場での安全な作業環境の確保を重視しています。
事例①:チラー機器の騒音を低減
例えば東京都内の精密機器メーカーの事例では、チラー機器の運転音により作業中の会話が困難になるなどの声があり、防音カバーの設計・製作を実施しました。正面開き構造を採用し、放熱性を保ちながら騒音を約10〜12dB低減し、作業環境の快適性と安全性を同時に向上させています。このような防音対策は、労働者の聴覚保護と作業効率の改善につながります。
関連記事:精密機器メーカー工場内のチラーの騒音対策@東京都~作業性と放熱性を高めた正面開き構造の防音カバーを製作
事例②:破砕機の騒音を低減
また、工場内粉砕機のケースでは、騒音レベル90dBから70dBまで低減することを目標に防音カバーを設計しました。耐水・防食仕様の吸音パネルと観音扉式の開閉構造を取り入れ、騒音源周囲の環境に合わせた最適な対策を実施しています。この対策により、労働安全衛生法で想定される高騒音環境における作業者保護にも配慮した設計となっています。
関連記事:工場内粉砕機の騒音対策~観音扉を採用した5面体の防音カバーを製作
事例③:屋外ブロワーの騒音を低減
さらに屋外ブロワーの事例では、T字型枠材を用いた脱着性の高い防音カバーを採用し、騒音を15dB低減しました。可搬性や現場でのメンテナンス性を高める工夫を行うことで、作業者にとって安全かつ扱いやすい騒音対策を実現しています。こうした現場ごとのオーダーメイド防音設計は、ただ基準を満たすだけでなく作業者の健康維持と安全衛生法令に基づく環境改善に直結する取り組みです。
関連記事:屋外ブロワの騒音を15dB低減!T字型枠材で脱着性を高めた防音カバー施工事例
作業環境の騒音でお困りの際は、騒音相談WEBツールより、お気軽にご相談ください。