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株式会社静科

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    工場内の騒音と労働者を守るガイドラインと対策

    皆さま、こんにちは。営業事務のSです。

    現在、静科ではサイレントプロバイダーと楽天市場にて「ブラックフライデー&InterBEEセール」を開催しております。おかげさまで多くのご注文を頂いており、入社して以来一番の受注数に少し驚きつつも、嬉しい気持ちで在庫管理に奔走している毎日です。音響商品はどうしても価格が高めのものが多いですが、この機会に一度お試しいただければと存じます。

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    さて今回は、工場の現場で働く皆さまにとって欠かせない「騒音」とその対策について取り上げます。工場では、加工機や研磨機、粉砕機、コンプレッサーなど多くの産業機械が稼働しており、作業環境によっては大きな騒音が発生することがあります。こうした騒音は作業効率の低下だけでなく、長期的には難聴などの健康障害につながる可能性もあります。

    そこで今回は、2023年4月に厚生労働省が改訂した「騒音障害防止のためのガイドライン」を中心に、工場内の騒音管理に関する基準や法令、測定方法、そして現場で実施できる防音対策について分かりやすくまとめました。ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。

    【法令】工場騒音と関連する法律の位置づけ

    工場の騒音対策には、大きく分けて次の2つの法律が関わります。


    • 騒音規制法(環境省)

    工場や事業場から「外部へ漏れる音」を規制し、周辺環境や住民を守るための法律です。神奈川県では「生活環境の保全等に関する条例」で区域ごとの騒音基準が定められています。

    • 労働安全衛生法(厚生労働省)

    工場内で働く従業員が騒音の影響を受けないようにするための法律です。今回取り上げている「騒音障害防止ガイドライン」はこちらに基づくもので、工場内の騒音管理の中心となる基準です。
    外部向けの規制と内部の健康管理は目的が異なるため、両方を正しく理解しておくことが大切です。

    【ガイドラインの概要】働く人を守るための基本ポイント

    ガイドラインでは、事業者が実施すべき内容として次のような項目が示されています。

    • 騒音障害防止対策の管理者を選任する
    • 作業場ごとに適切な測定を行い、結果に応じて対策を実施する
    • 必要な遮音値を満たす聴覚保護具を使用する
    • 雇入れ時および定期の健康診断を行う
    • 管理者・労働者へそれぞれ教育を行う

    これらは「測る」「守る」「教育する」という3つの軸で構成されており、工場内の安全性を高めるための基本となります。

    【管理区分】騒音レベルで判断する3つの区分

    工場内の騒音は、等価騒音レベルによって次の3つに区分されます。

    ■管理区分一覧

    第Ⅱ以上は「保護具+対策」、第Ⅲは「改善+保護具徹底+掲示+記録」が必須となります。

    【測定方法】工場騒音を正しく把握するための3つの測り方

    ガイドラインでは、作業場に応じて以下の測定方法を使用します。

    ① 作業環境測定(屋内)

    • 縦横6m以内のグリッドで10分以上測定する
    • 工場内の騒音傾向を把握する基本の測定方法

    ② 定点測定(屋外・坑内)

    • 騒音が最も大きくなる時間帯に、同一地点で測定
    • 機械の稼働時間が限られる現場などに適用

    ③ 個人ばく露測定

    • 作業者の肩付近に測定器を装着して半日〜終日測定
    • 騒音源が移動する作業や、ばく露が人ごとに異なる場合に使用

    測定は 6ヶ月以内ごとに1回、または設備変更・工程変更の際に実施する必要があります。

    【聴覚保護具】適切な耳栓・イヤーマフの選び方

    ガイドラインには、代表的な聴覚保護具として次の3種類が紹介されています。

    • 発泡タイプ耳栓(ウレタン):高い遮音性能で扱いやすい
    • 形成タイプ耳栓:洗って繰り返し利用できる
    • イヤーマフ:脱着が容易で短時間作業にも便利

    特に騒音の大きい場所では、耳栓とイヤーマフの併用により高い遮音効果が期待できます。

    【健康管理】聴力検査と結果に応じた対応

    労働者の健康を守るため、ガイドラインでは次のような検査が求められています。

    • 雇入れ時・配置換え時の検査
    • 6ヶ月ごとの定期健康診断
    • 異常が見つかった場合の二次検査
    • 聴力低下が認められた場合の作業時間短縮・配置転換などの措置

    聴力の状態を定期的に確認し、健康障害の早期発見につなげることが大切です。

    工場で実施できる防音対策

    工場の騒音は「発生源」「伝播経路」「作業者」の3方向から対策を行うことで効果的に抑えることができます。

    ■発生源対策

    • 低騒音型機械の採用
    • 機械の防振・調整

    ■伝播経路対策 ★弊社で対策可能です。

    • 防音壁
    • 防音カバー

    施工事例①:真空ポンプユニットの騒音対策~分割可能なパーティション式の防音壁でメンテナンス性を向上
    施工事例②:計3台の揚水ポンプの騒音対策@静岡~「一人静 タイプD」採用の防音カバーにより敷地境界線で55dB以下を達成


    ■作業者対策

    • 耳栓・イヤーマフの支給
    • 作業時間の調整

    弊社では、現場環境に応じた防音パネル「一人静シリーズ」をはじめ、機械周辺の防音対策や工場内のゾーニングなど幅広いご提案が可能です。

    今回は、厚生労働省の「騒音障害防止のためのガイドライン」を中心に、工場内で働く方を守るための基準や対策についてご紹介いたしました。工場内の騒音は、長期的に健康へ影響を与える可能性があるため、定期的な測定、適切な保護具の使用、環境の見直しが欠かせません。

    弊社では、現場状況に合わせた防音工事や音響測定、防音素材の設置まで一貫したご提案を行っております。些細なご相談からでも現場確認や測定を実施いたしますので、まずは「騒音相談WEBツール」より、お気軽にお問い合わせください。