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株式会社静科

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    マンション駐輪場改装後の遮音性測定を実施~測定結果や測定に必要な準備など

    皆さん、こんにちは。営業事務のSです。

    先日、普通自動車免許のAT限定解除(審査)を受けてきました。普段AT車の運転をしているの際のクセが出ていると指導いただき、とても苦戦しました。ただ、家族から車のミッションの仕組みなどについて教わることができたので、感覚だけではなく頭で理解しながら取り組め、なんとか追加講習なしで一発合格がすることができました。何度も見返しているアニメ「頭文字D」への理解度も心なしか上がったように感じます。

    今回の記事では、「マンションにおける遮音性の測定」についてご紹介いたします。

    JIS(日本工業規格)に基づいた方法で実施される「遮音測定」

    住宅に限らず、ホテルや事務所など、私たちが日常的に過ごす空間では「音の環境」が快適性に大きな影響を与えます。中でも集合住宅であるマンションでは、上下階・隣接住戸間での音の伝わり方が住民のストレスに直結することもあり、遮音性能の確認は重要な項目となります。

    遮音測定とは、JIS(日本工業規格)に基づいた方法で実施される音響測定の一種です。室内に雑音発生器を設置し、低周波から高周波までのあらゆる音を出して、隣室や階下・階上でどの程度音が遮断されているかを測定します。例えば、新築マンションの引き渡し前やリフォーム後の性能確認、工場の機械室からの音漏れ防止対策など、幅広いシーンで遮音性能の評価が行われています。

    関連ページ:音響測定(騒音調査等)

    改装に伴う測定:駐輪場上階への音の影響を確認

    今回は、あるマンションの1階にある駐輪場にて天井の改装工事が行われたことに伴い、その上階の住居スペースに音の影響が出ていないかを測定いたしました。駐輪場は共用スペースであるため、不特定多数の住人が出入りする場所でもあり、反響音や音漏れの問題が生じやすい環境です。

    測定は、2階住居内に雑音発生器を設置し、1階の駐輪場内で測定を行う形式で実施しました。使用した雑音発生器は、JIS規格に対応した音響測定機器であり、350Hz~8000Hzの広い周波数帯にわたって均一な音を発する仕様です。これにより、壁や床、天井の遮音性能を客観的に評価することが可能です。

    居室に設置した雑音発生器

    測定結果と分析:遮音等級の変化は見られず

    測定は、住戸の3つの異なるブロックにて行いました。工事の前後で反響の程度に若干の変化は感じられたものの、遮音等級という観点では大きな差異は確認されませんでした。遮音等級とは、壁や床の音の遮断性能を示す指標であり、数値が高いほど遮音性が優れていることを示します。

    今回のようなケースでは、「工事により天井を撤去したことで音の伝達経路が変化していないか」という確認が重要となります。結果として、天井が撤去された後でも、上階から下階への音の遮断性能はおおむね維持されており、住環境への影響は最小限に抑えられていると判断されました。

    駐輪場での音響測定用マイクの設置状況

    測定に必要な準備と注意点

    実際の遮音測定は、準備を含めて約3時間程度かかります。測定には精密な機器が必要な上、周囲の環境音が測定に影響する可能性もあるため、静かな状態での実施が求められます。特に今回のように共用スペースでの測定を行う場合、人の出入りを制限する手配が必要となります。

    また、使用する雑音発生器は非常に大きな音を発します。マンション内での測定では、事前に周辺住民への周知を行うことが重要です。音に対する不安や苦情を避けるためにも、「いつ、どこで、どのような目的で音を出すのか」を明確に伝えておくことが望まれます。

    遮音対策の必要性と今後の対応

    今回の測定により、工事前後での遮音性能に大きな差はないことが確認されましたが、住まいの快適性を保つためには、定期的な遮音性能のチェックや、必要に応じた防音対策が大切です。特にリフォームや構造変更を行った後は、遮音性能に変化がないかを評価することが望まれます。

    遮音測定は、住環境における「音の安心」を数値で可視化する手段であり、将来的なトラブル予防にも繋がります。とくに上下階の音問題は、住民間のトラブル原因となりやすいため、客観的なデータをもとにした事前対策が有効です。

    今回は、マンションの遮音性能測定についてご紹介いたしました。弊社では、現場の構造や音の性質に応じた防音・遮音対策のご提案を行っております。小さなご相談でも、現場調査や測定を実施の上で、最適な対策をご提案させていただきます。遮音性の診断や防音素材に関するご質問がございましたら、ぜひお気軽に騒音相談WEBツールよりお問い合わせくださいませ。