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株式会社静科

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    音環境で差がつく店舗づくり~騒音対策と吸音の基礎知識

    こんにちは、製造部岩崎です。

    先週末は東京近郊でも久しぶりに雪が積もりましたね。以前であれば近所の子供たちが雪だるまを作ったり遊んでいましたが今回は痕跡が何もなく、そういう年頃はもう過ぎたのか、と勝手に時の流れを感じていました。

    さて本日の記事では「店舗にまつわる音環境」についてお話しようと思います。

    店舗づくりにおける音環境

    店舗づくりにおいて、立地や内装デザイン、接客品質は重要な要素です。しかし近年、法人店舗の設計やリニューアルにおいて注目されているのが「音環境」です。空間の印象は視覚情報が中心と思われがちですが、実際には音も来店体験を大きく左右しています。

    居酒屋やカフェなどで、周囲の会話や食器の音が反響し、思ったよりも話しづらいと感じた経験はありませんか。これは客層や混雑状況だけでなく、店舗の構造や素材による“音の反響”が原因であることも少なくありません。本記事では、なぜ“売れる店舗”は音に配慮しているのか、その理由と具体的な考え方を解説します。

    売上を左右するのは「視覚」だけではない

    人は五感を通して空間を評価しています。明るさや色合いといった視覚情報だけでなく、「落ち着く」「うるさい」「会話しやすい」といった感覚も無意識のうちに印象を形成します。

    例えば、店内が騒がしすぎると長時間の滞在に疲れを感じ、追加注文を控えたり、早めの退店につながったりする可能性があります。反対に、適度に落ち着いた音環境は安心感を与え、会話や商品説明に集中できる空間を生み出します。

    特にSNSや口コミで「居心地がいい」「商談しやすい」と評価される店舗は、視覚的デザインだけでなく、音の印象も整えられているケースが多いのです。“雰囲気”を構成する要素として、音は見過ごせない存在といえるでしょう。

    なぜ音環境が店舗体験を変えるのか?

    店舗内の音は、BGM、来店客の会話、厨房や空調の設備音、外部からの騒音などが重なり合って構成されています。問題になるのは、これらの音が壁や天井に反射し、必要以上に増幅されてしまうことです。

    特にコンクリートやガラス、金属などの硬質な素材が多い空間では反響が強くなり、会話が混ざり合って“音の濁り”が発生します。その結果、隣席の会話が気になったり、スタッフの説明が聞き取りづらくなったりします。これは単なる騒音ではなく、顧客体験の質を下げる要因になります。

    具体的な対策としては、天井や壁の一部に吸音パネルを設置する、布製の装飾やパーテーションを取り入れる、天井面に吸音処理を施すなどの方法があります。全面改修でなくても、音の反射ポイントを抑えるだけで体感は大きく変わります。会話の明瞭度が向上すれば、接客の質や商談の成功率にも好影響が期待できます。

    昨年のInterBEEでプロトタイプを展示させて頂いた「吊り下げ式吸音パネル(仮名)」は、室内の響きを抑える為に天井から吸音材を吊り下げるという製品で、上記のようにポイントで音を吸音したい場合はうってつけのパネルです(下記リンク参照)。現在鋭意開発中ですので正式リリースをお待ちください。

    ※過去記事リンク:【新製品開発】吊り下げ式吸音パネル~お困りのお声をヒントに開発し要点を絞り性能向上

    音を“設計”するという発想

    多くの店舗では、騒がしくなってから対策を検討するケースが少なくありません。しかし本来は、設計段階から音の広がり方を想定することが理想的です。

    例えば、反響しやすい天井面への吸音対策、壁面の一部への吸音材設置、商談スペースのみの部分的な音環境改善など、目的に応じた段階的な導入も可能です。音量を下げることだけが目的ではなく、「必要な音をクリアに届け、不要な反響を抑える」という視点が重要です。

    また、従業員にとっても過度な騒音環境は疲労やストレスの原因となります。音環境を整えることは、顧客満足度の向上だけでなく、職場環境の改善という側面でも価値があります。

    音環境は“投資対象”のひとつ

    店舗の音環境は目に見えない要素ですが、確実に顧客体験と売上に影響を与えます。内装や照明と同様に、音もまた設計すべき重要な要素です。

    居酒屋やカフェで「話しづらい」と感じた経験は、多くの人が共有している課題です。その原因が構造や素材による反響であるなら、対策は可能です。部分的な吸音対策からでも、空間の印象は大きく変わります。

    これからの店舗づくりでは、デザインと同じレベルで音環境を検討することが差別化につながります。空間の価値を一段引き上げるために、吸音対策の導入をぜひご検討ください。ご相談も随時承っておりますのでお問い合わせフォームよりご連絡のほどお願いいたします。

    ※過去記事検索:「吸音パネル」