Loading...

株式会社静科

ARTICLE

記事詳細

    2017-08-26

    工場、室外機の騒音測定~A特性とC特性の確認が重要~

     こんにちは、ソリューション事業部です。今回は弊社の騒音測定方法をご紹介いたします。

     現在静科では5台の精密騒音計と、1名の環境計量士がおります。騒音計には普通騒音計や精密騒音計がありますが、名称から聞くと精密騒音計の方が高品質のイメージがあります。しかし、実際に重要なのは測定した数字が正しいかという校正が必要となります。当社ではISO認定を取得しておりますので、所有している機器の校正も行い、裏付けのある測定を行っております。また、測定器があれば測定もできますが、国家認定である環境計量士による測定を行うことで公平な第三者としての測定もでき、騒音が原因となる裁判においても有効な証明となります(参考:環境計量士について)。一般的な防音材メーカーや防音対策会社では、測定器は持っていても環境計量士がいないパターンが多いです。この点を補うことで、ご依頼主のご希望にしっかりと答えることを目指しております。

     測定の方法もJISで定まっているやり方以外にも、現場・環境・依頼者の要望に合わせて対応をしております。例えば、一般的な騒音レベルの測定方法は騒音源より1m離れ、高さ1.2m~1.5mの地点で測定を行います(参考:工場内騒音測定のポイント)。しかし、この測定方法ですと高い位置にある騒音源を正確に測ることができません。騒音レベルだけを把握するのであればJIS規格でもいいですが、対策までを検討するとなるとこの情報だけでは本来の騒音特性が見えにくくなります。高い位置にあればあるほど、下の方では周囲の音と混ざってしまい、本来の騒音源とかけ離れた特性になってしまいます。高い位置にある騒音源の場合は、特に音の出ている位置まで高さを合わせ、1m離れて測定を行うことでより本来の音に近づけられます。また、低周波の場合はC測定を実地しております。市役所や公的機関で貸し出しをする測定器はA特性という人間の耳に聞こえる音に近いように補正をかけた数値になります。しかし、近年問題となっているや室外機の音は人間の耳に聞こえにくい低周波を発しているため、A特性で測定を行っても実際の数値と受けている感覚とでは異なった値が出てしまいます。低周波の場合にはC特性の測定を行うことで、本来の騒音レベルの把握が可能になります(参考:室外機騒音が気になる)。また、室外機や工場の防音壁のシミュレーションを行う際も人間の耳の感覚に近いA特性ではなく実質的な音のC特性が必要となります(参考:防音壁施工前の防音効果シミュレーション方法)。

     次回は住宅の騒音測定方法や注意点をご紹介いたします。測定のご依頼・相談があればお問い合わせよりお申し付けくださいませ。