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株式会社静科

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    ブロワーの騒音対策〜「一人静 タイプL」を採用した排熱ファン付き防音カバーにより20dB以上の低減を実現

    こんにちは。製造部のズオンです。

    工場や水処理施設、化学プラントなどで稼働するブロワ(気泡ブロワや送風機)は、生産活動に欠かせない重要設備です。しかしその一方で、大型のモーター駆動や高速回転するインペラ(羽根車)から発生する低周波および高周波の騒音は、近隣住民への環境負荷や作業現場の労働環境悪化といった大きな課題を引き起こします。

    特に夜間や住宅地に近接する工場では、法定の騒音規制値をクリアするため、筐体自体の振動対策だけでなく、確実な性能を持つ防音カバーの設置が不可欠となります。

    本稿では、最新の制振・吸音パネルを活用した具体的な防音設計事例として、脱臭ファン用防音カバーの仕様と、排熱用ファンを採用した、トータル防音システムについて詳しく解説します。

    ブロワーの防音対策の基本方針と選定のポイント

    ブロワーの防音対策を成功させるためには、単に音を遮るだけでなく、以下の要素を同時に満たす設計が求められます。

    • 優れた吸音・遮音性能のバランス: 低周波のうなり音と高周波の風切音の双方に対応できる材質選定。
    • メンテナンス性の確保: 定期的な点検・部品交換が容易に行える着脱式パネルや開口部の配置。
    • 熱対策(排熱処理): 密閉されたボックス内でのモーター発熱による温度上昇を防ぐ換気ファンの適切な選定。

    これらの要件を高水準で満たす材料として広く採用されているのが、ナノテクノロジーを応用した高性能吸音・遮音パネル「一人静 タイプL」(厚さ t=71mm)です。同社の他のパネルと比較するとやや重量が増すという特徴はありますが、それを補って余りある圧倒的な吸音・遮音性能を発揮します。

    ブロワー用防音カバーの構造と詳細仕様

    防音の正面

    今回ご紹介するブロワー用防音カバーは、ブロワー本体の稼働音を効果的に封じ込めつつ、配管やメンテナンス動線を完璧に考慮したカスタム設計の「床なし5面体防音カバー」です。その具体的な各面パネルの仕様を以下に整理します。

    • ベース構造: 床なし5面体防音カバー(「一人静 タイプL」厚さ t=71mm 採用)
    • D面パネル: 吸込口用開口、ドレン配管用開口、排気ファン開口 + ファン防音カバー装備
    • C面パネル: 電気配線用開口、アンカー金具取付加工
    • B面パネル: メンテナンス用着脱式パネル + 取手加工(日常点検の利便性向上)
    • A面パネル: 吸気用開口 + フード装備、アンカー金具取付加工
    • 天面パネル: 吐出口用開口
    • 寸法設計:
      • 最小内寸:1,684.5 × 1,045、高さ H=1,158 mm
      • 最大外寸:1,826.5 × 1,187、高さ H=1,229 mm

    工場での消音テスト実績と性能

    本防音カバーの性能を検証するため、工場内において事前の消音テストを実施しました。その結果、騒音値を約20dB以上低減することに成功しております(対策前の 90dB超 の状態から、対策後には 約68dB まで大幅にダウン)。

    ただし、この数値はあくまで工場内でのテスト結果に基づくものであり、実際の現地(現場)に据え付け、配管や周囲の環境条件が加わった際には結果が変動する場合がある点にはご留意ください。

    排熱ファンへのこだわり:三菱電機製「EF-40DTXC2」の採用

    防音カバーの最大の盲点となりやすいのが「熱ごもり」です。ブロワを完全に密閉してしまうと、モーターや本体の熱が逃げ場を失い、温度上昇による機器の故障や停止を招く恐れがあります。

    本仕様では、換気システムの中核として、信頼性の高い「三菱電機製 EF-40DTXC2」を採用しています。この産業用換気扇は以下の優れた特徴を持っています:

    • 高い換気・排熱能力: 密閉された防音ボックス内部の熱気を強力に外部へ排出し、ブロワの連続安定稼働を温度面から支えます。
    • 静音性と耐久性: 過酷なプラント環境下でも長期間安定して稼働する堅牢性と、ファン自体の稼働音が防音ボックスの性能をスポイルしない優れた静音設計。
    • 一体型防音カバーとの調和: D面に配置された排熱ファン開口部および専用のファン防音カバーと組み合わせることで、「換気効率の確保」と「開口部からの音漏れ防止」という相反する課題を高次元で両立しています。

    ポイント: 防音ボックスの設計において、開口部は音漏れ(漏音)の最大の弱点となります。三菱電機製 EF-40DTXC2 の性能を活かしつつ、外側に専用のファン防音カバーをレイアウトすることで、排気流路を確保しながら騒音の放射をシャットアウトしています。

    メンテナンス性と施工性への配慮

    防音の背面

    いくら防音性能が高くても、日々のメンテナンスや突発的なトラブルの際に分解が困難であれば実用的ではありません。本設計では現場の作業性を考慮し、以下の工夫を凝らしています。

    1. 着脱式パネルの導入(B面): 日常的な点検口としてB面に着脱式パネルを採用し、専用の取手を加工することで、工具を使わなくとも(あるいは最小限の工数で)内部へのアクセスを可能にしています。
    2. 配管・配線用の専用開口: 吸込口・吐出口はもちろんのこと、ドレン配管や電気配線(C面)の引き込み口をあらかじめ正確に設計・加工しているため、現地での追加加工や隙間からの音漏れリスクを最小限に抑えます。
    3. アンカー固定による耐震・安定性: 各所アンカー金具取付加工により、ブロワー稼働時の振動によるカバーのズレや共振をしっかりと防止しています。

    まとめ

    ブロワーの騒音問題は、プラントや工場の環境改善において常に優先度の高い課題です。適切な材料選定と綿密な寸法・開口設計を行うことで、環境規制をクリアしつつ、設備の寿命と作業者の快適性を同時に守ることが可能となります。今後ブロワー周りの騒音対策をご検討の際は、ぜひこのようなトータル設計アプローチを参考にしていただければ幸いです。

    私たちは、お客様の設備環境に合わせたカスタマイズにも対応しており、最適な防音対策を提案いたします。また、騒音問題の改善を通じ、現場の生産性向上と従業員の満足度向上もお手伝いいたします。

    お気軽に、騒音相談WEBツールよりお問い合わせください。