弊社製品「一人静シリーズ」と代表的な防音・吸音材3種との比較〜防音材は「性能」だけで選ばないことが重要です
皆さん、こんにちは。製造部のヅアンです。
工場や設備から発生する騒音を低減するためには、使用する防音材だけでなく、防音設備全体の構造や設置環境を考慮することが重要です。
「防音材」と一言でいっても、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなど、さまざまな種類があります。それぞれ特徴や適した用途が異なるため、騒音の種類や使用環境、必要な性能に合わせて選ぶ必要があります。
また、工場や設備の騒音対策では、材料そのものの性能だけでなく、設置場所の温度・湿度、油や粉じんの有無、設備の発熱、メンテナンス性、施工性なども重要なポイントです。
今回は、代表的な防音・吸音材料の特徴を紹介しながら、当社の防音パネル「一人静シリーズ」と比較し、防音材を選ぶ際に確認しておきたいポイントについて解説します。
「遮音」と「吸音」はどう違う?
防音対策を考えるうえで、まず知っておきたいのが「遮音」と「吸音」の違いです。
遮音とは
遮音とは、音が壁やパネルなどを通過して外部へ伝わることを抑えることです。
一般的には、質量のある材料を使用したり、パネル同士の隙間を少なくしたりすることで、音の透過を抑えます。
工場の機械や設備を防音カバーで囲う場合には、パネルそのものだけでなく、パネル同士の接合部、扉、開口部などから音が漏れないようにすることも重要です。
吸音とは
一方、吸音とは、音のエネルギーを吸収し、音の反射を抑えることです。
例えば工場では、機械から発生した音が周囲の壁や天井に反射し、作業エリア全体に広がることがあります。このような場合には、音を遮るだけでなく、設備内部や周囲で発生する音の反射を抑えることも重要になります。
そのため、実際の騒音対策では、遮音と吸音を適切に組み合わせることがポイントです。
代表的な防音・吸音材料
防音対策で使用される代表的な材料には、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなどがあります。
それぞれ特徴が異なるため、使用する場所や目的、周辺環境に合わせて選択する必要があります。
①グラスウール
グラスウールは、ガラスを原料とした繊維状の材料で、吸音材として幅広く使用されています。
比較的軽量で、建築物や設備などさまざまな場所で使用できることが特徴です。
一方、工場設備などで使用する場合には、油や水、粉じんなどの影響を考慮する必要があります。使用環境によっては、表面保護や適切な施工方法を検討することが重要です。
②ロックウール
ロックウールは、鉱物を原料とした繊維状の材料です。
グラスウールと同様に吸音材として使用され、耐熱性が求められる場所などにも使用されています。
ただし、工場などの設備周辺で使用する場合には、設置環境に応じて表面処理や施工方法を検討する必要があります。
③ウレタンフォーム
ウレタンフォームは、軽量で加工しやすく、吸音材として使用される代表的な材料です。
設備周辺や室内など、さまざまな場所で使用できます。
一方で、使用環境によっては耐熱性や耐久性などを考慮する必要があります。特に発熱する設備の周辺では、使用条件に適した材料かどうかを確認することが大切です。
代表的な材料と「一人静シリーズ」の違い
ここまで紹介したように、防音・吸音対策に使用される材料には、それぞれ異なる特徴があります。
防音材を選ぶ際には、単純に「吸音性能が高い材料」を選ぶのではなく、どのような設備に、どのような環境で、何を目的として使用するのかを考えることが重要です。
| 材料・製品 | 主な特徴 | 使用時に考慮したいポイント |
|---|---|---|
| グラスウール | 吸音材として幅広く使用 | 油・水・粉じんなどへの対策 |
| ロックウール | 吸音性・耐熱性が求められる場所に使用 | 表面処理・施工方法 |
| ウレタンフォーム | 軽量で加工しやすい | 使用環境による耐熱性・耐久性 |
| 一人静タイプA | 標準的な防音パネル | 一般的な設備の防音対策 |
| 一人静タイプL | 吸音材の充填量を増やしたタイプ | より高い吸音・遮音性が必要な場合 |
| 一人静タイプD | 放熱性を考慮したタイプ | 発熱する設備などの防音対策 |
| 一人静タイプZ | クリーンルームなどを考慮したタイプ | 清浄度が求められる環境 |
※実際の防音効果は、使用する材料だけでなく、防音設備の構造、設置方法、騒音の種類や発生源などによって異なります。
「一人静シリーズ」の特徴
当社では、工場設備や機械などの騒音対策に使用できる防音パネル「一人静シリーズ」を取り扱っています。
「一人静シリーズ」は、吸音と遮音を考慮した防音パネルで、防音カバーや防音BOXなど、さまざまな防音設備に使用されています。
また、設置環境や用途に合わせて複数のタイプを展開しているため、設備の条件に応じて選択できます。
一人静タイプA
「一人静タイプA」は、さまざまな防音設備に使用されている標準的なタイプです。
機械設備の防音カバーや防音BOXなど、一般的な工場設備の騒音対策に使用されています。
一人静タイプL
「一人静タイプL」は、「一人静タイプA」と同様の構造をベースに、吸音材の充填量を増やしたタイプです。
吸音・遮音性をより重視した防音対策に使用されています。
一人静タイプD
「一人静タイプD」は、放熱性を考慮したタイプです。
機械を防音パネルで囲うと、設備内部に熱がこもることがあります。そのため、騒音対策だけでなく、設備の発熱や放熱についても考慮する必要があります。
タイプDは、このような設備の防音対策に適したタイプです。
一人静タイプZ
「一人静タイプZ」は、クリーンルームなど、清浄度が求められる環境での使用を考慮したタイプです。
一般的な工場設備とは異なり、クリーンルームでは騒音対策だけでなく、周囲の環境や使用条件に合わせた材料・構造の選定が重要になります。
このように「一人静シリーズ」は、使用する場所や設備の条件に応じてタイプを選択できることが特徴の一つです。

防音材は「性能」だけで選ばない
工場の防音対策では、材料そのものの性能だけでなく、実際の作業環境や設備の使い方まで考える必要があります。
例えば、防音カバーを設置した機械では、定期的な点検やメンテナンスのためにカバーを開閉したり、内部へアクセスしたりする必要があります。
そのため、防音性能だけを優先すると、作業性やメンテナンス性が低下してしまう場合があります。
防音材や防音設備を選ぶ際には、次のような点を総合的に検討することが重要です。
- 騒音の種類や発生源
- 必要な防音性能
- 設置場所の温度や湿度
- 油や粉じんの有無
- メンテナンス方法
- パネルの重量や施工性
- 設備の発熱や放熱
- 扉や開口部の構造
特に工場設備では、材料だけでなく、パネル同士の接合部や開口部、扉などの構造も騒音低減に大きく影響します。
そのため、防音設備を設計する際には、材料の選定だけでなく、設備の使用環境やメンテナンス性を含めて構造を検討することが大切です。
防音は「材料」ではなく「設備全体」で考える
防音対策では、使用する材料を選ぶだけでは十分ではありません。
例えば、同じ防音パネルを使用した場合でも、パネル同士の隙間や扉の構造、開口部の大きさなどによって、実際の騒音低減効果が変わる場合があります。
特に工場設備では、
「音をどこから漏らさないようにするか」
「設備をどのように囲うか」
「メンテナンス時にどこを開ける必要があるか」
といった点を考えながら、防音設備全体を設計することが重要です。
当社では、材料の選定だけでなく、設備の使用環境やメンテナンス性なども考慮し、防音カバーや防音BOXなどの防音設備を設計・製作しています。
まとめ
防音対策に使用される材料には、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなど、さまざまな種類があります。それぞれに特徴があるため、「どの材料が一番優れているか」ではなく、騒音の種類、設備環境、必要な性能、メンテナンス性などに合わせて選択することが重要です。
弊社では、標準仕様に限らず、お客様の現場環境やご希望に応じたカスタマイズ対応も行っております。防音・防振でお困りの際は、ぜひ、騒音相談WEBツールよりお気軽にご相談ください。