ケルヒャー社製温水除草機(高圧洗浄機)の騒音対策事例~防音材の組み合わせにより10dBの低減を実現
こんにちは、製造部岩崎です。
5年経つのも早いもので、今年はどうやら免許更新の年らしいです。仕事以外で運転する機会が少ないのもあり、いまのところ生涯無事故無違反を継続できています。運転は嫌いではありませんが、長距離運転の時は眠くならないような工夫が必要だなと感じます。トラックのドライバーさんなどはそのあたり詳しそうですが、コツなど是非教えてほしいものです。
さて、本日の記事では「ケルヒャー製温水除草機(高圧洗浄機)の騒音対策」の事例をご紹介いたします。
温水除草機とは
温水除草機は、高圧の温水洗浄機に専用のノズルを装着し、100℃に近い熱湯を噴射することで雑草を枯らす機械です。植物の根に高温水が当たることでタンパク質の構造が変化し、植物が枯死する仕組みを利用しています。
この手法はメリットとして、
- 薬品を使用しないため、環境への負荷が抑えられる&人体への影響が少ない
- 根まで枯らすため、雑草が生えてくる頻度を抑えることができる
- 石畳やインターロッキングなど、通常除草が難しい場所でも使用できる
という点があるものの、デメリットとして、
- 高圧洗浄機やノズルなどの初期投資が必要
- 騒音の問題
などが挙がります。今回はこちらの「騒音」を対策したいということでお客様よりご相談を受けました。
「一人静タイプD」と遮音シートを組み合わせた対策
ページ冒頭の写真が今回製作した防音カバーになります。
ご要望としては、
- 騒音値の低減
- 簡単に脱着ができる仕様
- 排熱対策
などがあり、最終的な仕様としては以下のようになりました。
- 天井部分は放熱タイプの「一人静タイプD」を使用
- 側面は簡単な脱着ができるように遮音シート+マグネットで簡単取付け
- 排熱部を一部開口して換気できるように
天井部分は一人静タイプDを取り付けることで吸遮音するとともに、内部に溜まった熱を放出しやすい状態にしております。特に排熱の大きい部分は一部開口にすることで、熱が逃げやすい仕様です。
側面部分は遮音シートにマグネットテープを付けた形状となっており、特別な工具を使わずに簡単に脱着ができるようになっております。
防音カバーの取付けで約10dB低減
防音カバーを付けて洗浄機の運転試験を行った結果、約100dBの音が約90dBまで低減しました。もともとの音がかなり大きいため低減の余地はまだあるものの、体感的にはおよそ半減くらいの効果は得られました。
今回高圧洗浄機の防音は初めての試みでしたが、簡易的な取付け手法の割に一定の成果は得られました。今後の改善点としては遮音シートのたわみによる隙間の対策や、開口部分の音漏れ対策などが挙げられ、これらを達成することにより高い効果が期待できる見込みです。
除草機を使うのは基本的に屋外なので、近隣への騒音が気になる場合やクレームが予想される際には、防音カバーによる対策は良い選択肢になるかと思います。是非ご検討ください。
