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株式会社静科

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    水力発電機施設の騒音対策~換気ダクト用のサイレンサーを設置し約15dBの低減効果を獲得

    こんにちは、製造部岩崎です。

    先日徳島を訪れる機会があり、徳島ラーメンを初めて食べました。醤油とんこつベースのこってりスープに中細のストレート麺、豚バラに生卵トッピングが特徴で、とても美味しく頂きました。食べた後に胃にくる感じが神奈川の家系ラーメンに似ていて親近感の湧く味でした。次に行く事があれば、今回食べる事のできなかった徳島産の地鶏である阿波尾鶏(あわおどり)を食べてみたいと思います。

    本日の記事では発電所向けに製作・納品した「換気ダクト用サイレンサー」をご紹介いたします。

    換気ダクトから漏れる水車発電機の騒音対策

    水力発電施設が収納されている部屋の内部の音が、換気ダクトを通じて外に漏れてしまっている、というのが今回のご相談内容でした。考えられる対策方法は主に下記の2つでした。

    • ①機械本体を囲い、根本的な騒音源対策をする
    • ②建屋外の排気ダクトを囲うことで、外部への音漏れを防ぐ

    ①の対策は建物内での音も改善することができるというメリットがある反面、対策が複雑になることやコストが②に比べて上がることがデメリットです。

    ②の対策は、建物内の騒音は低減することができないというデメリットはあるものの、対策の容易さやコストの面で優れるというメリットがあります。

    どちらのパターンでも対応は可能でしたが、今回はお客さまのご要望により②の対策方法で進めることになりました。

    換気ダクト用サイレンサーを制作

    音漏れ対策として製作したのがトップ画像のダクト用サイレンサーです。仕様は以下のようになります。

    サイレンサー設置後の近影

    仕様詳細

    • 簡易的な迷路構造のダクト用サイレンサー
    • 外寸はおよそ1m×1m×1m
    • パネルには中高音域に吸音と遮音効果を発揮する「一人静タイプA」を使用
    • サイレンサー上部には降雪カバー(傾斜で雪が積もりにくい仕様)
    • フランジ、ブラケットで既存ダクトと結合する仕様

    構造としては簡易的な迷路構造になっており、内部で音を吸収することができます。もちろんダクトなので、空気の流れは通るようになっており、音がだけが低減する仕組みです。また、パネルはアルミ材をメインに構成されており、一般的な吸音材であるグラスウールやロックウールとは違い、屋外でも使用可能な点が大きなメリットになります。

    製作期間は約1~2週間で、フランジやブラケット、降雪カバーをお客様の方でご用意いただき、サイレンサー部分との製作と結合を弊社で行いました。

    防音効果としては、設置前におよそ83dB出ていた音が、サイレンサー設置後は68dBと、約15dBの低減効果が得られました。局所的な対策としては十分な数値が得られ、お客様にも満足して頂けました。

    排気ダクトにも様々な種類や大きさがあり、設置条件なども異なる(今回のような降雪カバーなど)ため、対策方法は千差万別です。静科では現場や状況に合わせた騒音対策をご提案可能ですので、まずはお気軽に騒音相談WEBツールよりご相談ください。