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株式会社静科

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    2025-08-12

    ボイラー稼働時の騒音対策事例〜現地調査の上「サイレンサー」及び「一人静仕様の防音カバー」設置をご提案

    こんにちは、ソリューション事業部の山田です。

    お盆休みの時期となり、私もお休みをいただき、地元の横須賀市へ帰省してきました。同じ神奈川県内ではありますが、横須賀市に入ると「帰ってきたな」と今でも感じます。厚木市のあたりには大きな相模川が流れていますが、日常生活で海を見る機会はほとんどありません。そのため、地元に戻って海が見えると、その景色が懐かしく、そしてとても嬉しくなります。

    さて本日は、先日伺ってきた「ボイラー稼働音の現地調査と提案内容」についてご紹介いたします。

    ボイラー稼働音に対するご相談対応事例

    今回ご相談いただいた内容は、ボイラー稼働音の騒音対策です。ボイラー稼働時に発生する蒸気の排出音が大きく、さらに周辺の建物に音が反射して反響してしまうという状況でした。また、自社で発生している音であるにもかかわらず、反射音を聞いて「隣の会社から出ている音」だと勘違いされていた方も中にはいらっしゃったと伺いました。ご担当者様からは、「問題が大きくなる前に対策を検討したい」とのご要望をいただき、現地調査を実施いたしました。

    現場調査で判明した状況と課題点

    現場の状況

    今回調査を行った企業様では、定期的に騒音測定を実施されており、敷地境界線における市の規定値はクリアできているケースもありました。しかし、周辺建物の位置関係により音が跳ね返り、ぶつかり合って反響し、実際の体感音が大きくなってしまう状況が確認されました。このように、意図しない要因によって騒音対策が必要となる場合もあります。

    課題点

    1. 対策箇所が屋根上の高所にあること
    2. 大きな煙突と対策対象の煙突の間隔が狭いこと

    一般的な防音パネルは「鉄板+吸音材」の構造で重量があり、屋根上への設置が困難です。また厚みもあるため、設置した場合に大型の箱型構造となり、限られたスペースでは対応が難しくなります。

    煙突(右)と対象箇所(左)

    2種類の騒音対策案を提示

    今回は、以下2種類の対策を提案しました。

    ①サイレンサーの設置

    サイレンサーは、蒸気などの気流を通しつつ内部の吸音材で音を低減する装置です。発生する風量や気体の種類など、詳細な情報が必要ですが、現状のスペースを活用でき、機器に合わせて設計されるため高い効果が期待できます。

    ②防音パネル「一人静」による防音カバー設置

    「一人静」は薄型かつ軽量で、屋根上にも設置可能です。隙間が33mm以上あれば施工が可能で、周囲を囲う形で設置し上部に開口部を設け、蒸気を逃がしつつ音を低減します。サイレンサーと比較して、対応できる音域が広く、汎用性が高い点が特長です。細かい設置条件がなく、パネルを設置できるスペースさえあれば、場所を選ばず導入可能です。

      設置例:左からサイレンサー、一人静仕様 防音カバー2種類

      ご提案後の反応とまとめ

      ご担当者様からは、「当初はサイレンサーしか方法がないと思っていたが、『一人静』でも対策できるなら検討したい」とのお言葉をいただきました。

      これまで、このようなケースではサイレンサーが主流でしたが、「一人静」によってお客様の要望や現場条件に応じた、柔軟な選択肢をご提案できるようになりました。本事例は、数値上は規定を満たしていても、周辺環境の影響で体感的な騒音が課題になるケースの一例です。静科では、現場環境や条件に応じた最適な防音対策をご提案いたします。

      「このような形で施工できるか知りたい」「この場所にも設置可能か」など、ご質問があればぜひお気軽に、騒音相談WEBツールより、ご相談ください。