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株式会社静科

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    防音壁を使用せず室外機稼働音を低減させる方法~騒音測定とのセットで問題解決~

     こんにちは、ソリューション事業部です。今回は防音壁を使わない室外機の防音対策をご紹介いたします。

     

     集合住宅や病院、公共施設では室内の空調環境を維持するために大型の室外機を設置しますが、その稼働音が周囲に聞こえてしまうケースがあります。敷地境界線(自分のところと他の人の敷地の境界線)では、朝・昼・夜の時間帯と管理区分の組み合わせで音の大きさが決まっています(参考:騒音規制~区域区分の調べ方~)。マンションや一般住宅地がある場合は特に夜間の数値が厳しいため、隣接するスーパーや飲食店の方は冷凍庫や室外機の音が後々に問題となる場合もあるので注意が必要です。今回はマンションのベランダに設置している室外機の稼働音が隣家に聞こえてしまうため、騒音測定からはじまり対策をご依頼されました。測定をすると、室外機直近では100Hz以下の低周波も確認できますが、離れたところで測定すると稼働時のファン音が目立つことが分かりました。数値でも500Hz以上の部分の為、今回の対策では500Hz以上の騒音源を低減させることを目標設置といたしました。当初は室外機周囲に防音壁を立てることを提案しましたが、建築基準や消防の観点から防音壁は設置が難しく、別案を検討いたしました。現場環境を見ると、室外機の周囲はベランダで音が反響しやすい状態でした。この反響音を低減させることで、隣家へ聞こえる音を低減させることが可能になります。

     具体的には、防音壁で囲わずにベランダの天井と壁に弊社の吸音パネル 一人静タイプAを取り付けることを提案しました。反響音を低減させることで、隣家だけでなく、設置個所の稼働音も低減して聞こえるので利用者にも聞こえにくくなります。当社のパネルはハニカム構造強度をとっておりますので、ビスで固定する場合は内部の吸音材を貫通させることで壁や天井に取り付けることができます。軽量鉄骨で組まれた壁・天井の場合、天井そのものに取り付けると転倒・落下する危険性があるので、必ずパネルにビスやボルトを貫通させ骨組みに固定してください。

     吸音パネルを設置後、測定した結果施工前が70dbに対し、63db(-7db)に低減いたしました。このエリアは65dbが規制値になるので、無事クリアすることができました。

     騒音対策をご検討の場合は、騒音測定から始めることをおススメ致します。一般的な騒音測定は数値を測るだけの報告書になりますが、当社では改善・対策案もセットで報告をさせていただきます。そのまま対策をしたり、検討資料としての活用いただいても大丈夫です。ご不明な点やご相談事がありましたらお問い合わせよりお申し付けくださいませ。

    施工前

    天井にも吸音パネルを設置