地球深部探査船「ちきゅう」内の岩石カッター騒音対策@興津埠頭~作業室デスク上に設置する4面体防音ボックスを製作
みなさんこんにちは。製造部の横山です。
最近、資格取得に向けた勉強を少しずつ始めました。習慣づいていない頃は、日中「帰ったら勉強しよう」と思っていても、いざ帰宅するとなかなか行動に移せない日が続いていました。そこで最近取り入れたのが、通勤時に公園を歩きながら参考書を読むスタイルです。周囲の安全には十分気をつけながらではありますが、毎日続けられており、少しずつ手応えを感じています。
さて、前置きはここまでにして。今回は、弊社がこれまでに携わった施工事例の中でも、特に印象深い案件のひとつ、地球深部探査船「ちきゅう」内で使用する海底岩石切断用の電動カッター向け防音ボックスの製作についてご紹介したいと思います。
地球深部探査船「ちきゅう」とは
「ちきゅう」は、人類史上初のマントル掘削や、地震発生域の掘削を実現するために設計された、ライザー式掘削方式を採用した世界初の科学調査船です。国際深海科学掘削計画(IODP)の主力船として、海底地下の深部からコアサンプルを採取しながら、地震発生のメカニズム解明や新たな海底資源の探索に挑み続けています。
弊社では防音ボックスの製作に先立ち、騒音源の測定と採寸のために実際に乗船させていただきました。想像をはるかに超える船体の大きさ、迷路のように入り組んだ内部構造、そして英語が飛び交う国際色豊かな現場の雰囲気に、乗船した瞬間から異国の地に降り立ったかのような感覚を覚えました。普段の工場施工とはまったく異質の緊張感の中、非常に貴重な体験をさせていただきました。
限られた時間での採寸・設計
「ちきゅう」は一度航海に出ると長期間にわたって寄港しないため、採寸・設計に充てられる時間は非常に限られていました。乗船中に必要なデータをすべて取り切り、その後は研究員の方と繰り返しメールで図面のやり取りを行いながら、実際の作業環境に合った使い勝手の良い形状へと丁寧に落とし込んでいきました。
使用製品と設計上の工夫
今回の騒音測定の結果、対象となる音は比較的高い音域に集中していることが確認されました。この特性に対して最も適した製品として選定したのが、弊社の「一人静 タイプA」です。
防音ボックスの仕様としては、作業室内のデスク上への設置を前提に、およそ700×700×700mmのサイズで製作しました。機械をしっかりと囲える必要十分なサイズを確保しつつ、設置・取り外しのしやすさにも配慮した設計としました。また今回は2台を同時に製作し、設計から完成までの製作期間はおよそ3週間となりました。
遮音性能を最大化するには全面を密閉することが理想ですが、岩石を投入する正面には開口部を設けざるを得ません。そこで、正面と床を除いた4面体構造を採用し、制約のある環境の中で可能な限り高い防音効果を追求しました。設計の各段階で研究員の方と綿密に確認を重ねた結果、作業性と防音性能を両立した仕様に仕上げることができ、お客様にもご満足いただけました。


人類の未来を支えるプロジェクトに携わって
地球の深部へと掘り進み、地震発生の仕組みの解明や新たな海底資源の発見に挑み続ける「ちきゅう」のプロジェクト。その現場で働く研究員の方々の作業環境改善に、弊社の防音技術がお役に立てたことは、製造部としての大きな自信となりました。通常の工場や建物への施工とは異なり、船という特殊環境ならではの制約や要件に向き合ったこの経験は、弊社の技術力と対応力をさらに高める貴重な機会となり、今後の製品開発や施工提案にも活かしていける財産となっています。
今回は「地球深部探査船『ちきゅう』向け電動カッター用防音ボックスの製作事例」をご紹介しました。工場・研究機関・船舶など、あらゆる環境での騒音対策に幅広く対応しております。特殊な形状や環境でのご相談にも柔軟にお応えしておりますので、騒音のお悩みやご不明点がございましたら、まずは「騒音相談WEBツール」からお気軽にお問い合わせください。
