【理化学機器の測定用】中~高周波帯に特化した大型の簡易無響ボックスを製作
皆さん、こんにちは。製造部のヅアンです。
先日、本厚木の「ちばチャン」に行ってみて、本当に驚きました。スタッフの方がベトナム語で挨拶してくれたおかげで、初めてでもとても入りやすい雰囲気でした。店内は日本らしい賑やかな居酒屋そのままですが、ベトナム人のお客さんも多く、料理の注文や会話もしやすく、安心して楽しめる空間でした。
さて本日は、理化学機器の測定用に製作した「中〜高周波帯に特化した大型の簡易無響ボックス」についてご紹介したいと思います。
製作の背景:理化学機器の動作音を正確に測定したい
今回製作したボックスは、大阪の電子機器メーカーで使用される予定で、 中〜高周波帯ノイズの評価を目的としたものです。 理化学機器や精密装置の動作音はとても繊細で、周囲の雑音や反射音の影響を受けやすいため、専用の静音空間が必要でした。そこで今回は、下記をテーマに設計を進めました。
- 周囲の騒音を遮断
- 微小な動作音まで正確に測定可能
- 高周波帯に適した吸音構造
内部構造:高周波の反射を抑えるための設計
今回の無響ボックスは、「一人静タイプA」パネルを組み合わせて一体構造として製作しています。「一人静タイプA」は、中〜高周波帯の反射音を効率よく抑えることができる吸音・遮音性能を持ち、測定環境の安定化に非常に適しています。 内部には、このタイプAパネルを全面に使用し、 パネルごとに厚みや配置バランスを調整することで、 細かな反射音を散乱・減衰させる構造としました。
大型サイズならではのメリット
今回のボックスは、通常より一回り大きい設計になっています。 その理由は、メーカー側から 「異なるサイズの製品を同じ環境で評価したい」 という要望があったためです。 大型化することで、下記のメリットが得られます:
- 多種類の機器を入れ替えて測定可能
- 製品と壁の距離を確保し、反射音の影響を低減
- 転倒や共振リスクの軽減
- 測定値の安定性向上
特に音響評価では、壁との距離が意外と重要で、広いほど測定再現性が高まります。
簡易無響ボックス仕様

- 「一人静タイプA」を採用(床あり)
- サイズ:1000mm × 700mm × H1000mm
- 正面:開閉式の扉
- 背面:配線ダクト用開口あり
- ゴム足、配線カバー、取手付き
- 製作期間:1週間
今回は、 簡易無響ボックスをご紹介させていただきました。弊社ではお客様のご希望合わせて「サイズ・仕様・測定環境」のご相談にも対応しております。設置場所の採寸から、用途に最適な吸音構造の提案まで一つ一つの案件に合わせて柔軟にサポートいたしますので、お気軽に騒音相談WEBツールよりご相談くださいませ。