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株式会社静科

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    超音波溶着機の高周波騒音対策~上下スライド式小扉付きの5面体防音カバーを製作

    皆様こんにちは。製造部の大澤です。先日金曜ロードショーにて「君たちはどう生きるか」を視聴いたしました。評価が二分していて内容が気になる映画でしたが、個人的にはとても楽しんでみることが出来ました。感じ方は人それぞれだと思いますので、是非自らの目で見て評価をしていただきたいと思います。

    さて、今回は以前製作しました「超音波溶着機向け防音カバー」のご紹介となります。

    超音波溶着機はプラスチック接合時に高周波騒音が発生

    本件でご相談いただいたのは、PCコネクタなどの生産や加工を行っているとある会社様です。コネクタ生産に用いている超音波溶着機の騒音を緩和したいとのご相談でした。超音波溶着機とは、超音波振動エネルギーを利用してプラスチックの接合をする機械のことです。ホーンと呼ばれる金属の共振体から伝達された超音波振動の打撃による摩擦熱にてプラスチックが溶解し接合されます。この打撃の瞬間に超音波を用いているため、高周波の耳障りで大きな騒音が発生します。

    お客様とメールや電話にて情報のやり取りをし、ご要望に沿った防音カバーを製作し、納品いたしました。

    「一人静タイプL薄型」を使用した5面体の防音カバーを製作

    超音波溶着機向け防音カバー

    仕様概要

    • 一人静タイプL薄型(t41.5mm)使用 床無し5面体防音カバー
    • 外寸:幅565mm×奥行998mm×高さ1,598mm
    • 内寸:幅475mm×奥行918mm×高さ1,554mm
    • 正面片開式扉寸法:445mm×1,448mm
    • 扉上部にのぞき窓(ポリカーボネート):200mm×550mm
    • 扉下部に上下スライド式小扉:250mm×265mm
    • 背面に配線出し用切り欠きを加工
    • L字金具を用いて架台にボルト止めで固定

    お客様からご提案しただいた「上下スライド式扉」を採用

    スライド式小扉

    機械下部のプラスチックを溶着する箇所は、溶着前後の製品の出し入れを頻繁に行うため、出来るだけドアの開閉が楽な仕様にしたいとのことでした。当初、片開式の小扉をご提案していましたが、お客様の方からこのような形にできないかとご提案して頂いたのが、上下スライド式でした。このような仕様の扉は製作実績があまりなかったため、協力店に教えを乞い、形にすることが出来ました。

    内容としましては、左右のレールを伝ってパネルが上下にスライドでき、パネル上側に簡単なロック機構を設け、少し力を加えると自重で落下して閉まるという仕組みです。正面の片開式扉の下部に切り欠きを設け、このスライド式小扉を取付いたしました。

    製品をお送りするという形であったため、設置後の現場の状況は分かりかねますが、超音波系の騒音に関しては弊社で実績が多数あり、いずれも高い騒音低減に成功しているため、ご満足いただけると存じます。

    現場状況や騒音対象物に応じてご提案いたします

    今回は、「超音波溶着機向け防音カバー」のご紹介となりました。防音対策導入にあたり、どのような仕様にするのか迷われている場合でも、弊社は、現場状況や騒音対象物に応じてご提案をいたします。今回のケースのように、お客様の提案発信で着想を得て実績に繋がることは多々ございますので、騒音対策や防音工事等のご相談は、ご気軽にお問い合わせください。