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株式会社静科

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    2023-06-21

    食品工場内真空ポンプの騒音対策~放熱性パネルを採用したキャスター付き防音カバーで12dB低減

    こんにちは、製造部岩崎です。

    昨年くらいから、麻雀のプロリーグであるMリーグに興味を持ちよく見るようになりました。現在はシーズンオフで試合がないのですが、個性的な選手はもちろんのこと、対戦をドラマチックに盛り上げる実況・解説者のやり取りが面白く、早く新シーズンがこないか待ち遠しいです。

    さて、本日の記事では、過去に食品工場様向けに製作納品させて頂いた「真空ポンプ用防音カバー」をご紹介したいと思います。

    食品工場内の真空ポンプの騒音対策

    こちらは過去の事例になりますが、果物を加工する食品工場様より、真空ポンプの音がとても響くとのことで、騒音対策のご依頼を受けました。真空ポンプはモーター、コンプレッサー、ブロワー、粉砕機などと並び、工場の中でも比較的騒音値の高い機械で、工場内の騒音規制値を越えたり、近隣の方からクレームが入ったりと、問題となるケースが多いです。

    また、今回は特殊なケースでしたが、工場の中が多湿(湿気が高い状態)で音が反響しやすく、通常よりも騒音値が高く出ている様子です。

    ※湿気と音の関係については、下記過去記事をご参照ください。

    関連記事:水分・湿気による吸音材への悪影響~『一人静タイプZ』がこの問題を解決

    このような状況下での騒音対策には、鉄板のような『遮音しかしない』素材ではなく、しっかりと『吸音をする防音材』を選定するのが重要です。

    真空ポンプ用のキャスター付き防音カバー

    真空ポンプの騒音対策として、キャスター付きの防音カバーを製作いたしました。仕様は以下のようになります。

    防音カバーの仕様

    • 天板付き、3面体防音カバー
    • パネルには放熱性のある「一人静タイプD」を選定
    • 天板に排熱用の切り欠き
    • キャスター付きで組んだままの移動が可能

    工場内が大げさに言うとプールのような反響しやすい空間でしたので、吸音性能の高い「一人静シリーズ」の中で「一人静タイプD」をパネルとして選定致しました。タイプDはアルミハニカムを採用して熱を逃がす構造を持っているため、今回の真空ポンプのような、排熱性の高い機械を対策するのに適しています。

    また、防音カバーの設置はかなり簡単で、プラスドライバーとビスを使って2人で5~10分程度で完成させることができます。

    防音対策後は騒音レベルが約10~12dB低減

    防音効果としては、周波数帯にもよりますが約10~12dBの低減となりました。完全密閉ではないため、防音ボックスよりは多少効果が劣るものの、吸音性能が高いので回り込み音が低減でき、設置の簡単さやキャスターによる取り回しの良さでは、こちらに分があります。

    また、上述のように、対策方法として防音ボックスを用いることで、より高い防音性を出すことも可能です。その場合は、吸排気のためのファンを付けるなど、熱籠り対策には更に注力する必要があります。

    静科では、その他の様々な要望や構造に可能な限り対応したいと考えておりますので、まずはお電話やお問い合わせフォームにてお気軽にご相談ください。