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株式会社静科

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    2020-11-11

    騒音に効果的な防音壁に必要な3つの条件

    こんにちは、製造部のIです。

    あっという間に11月も半ばに差し掛かり、今年もあと僅かになってきました。緊急事態宣言で大騒ぎしたのがついこの間のように感じますが、もう半年前の出来事なんですね。コロナの感染者も爆発的に増えている訳ではありませんが、季節の変わり目なので更に気を引き締めて冬を迎えたいと思います。

    さて、本日の記事では「良い遮音壁の条件」についてご紹介致します。

    騒音に効果的な防音壁に必要な3つの条件

    うるさい音を防ぐために利用される防音壁ですが、素材の選定には以下の3つのポイントが重要になります。

    1. 吸音、遮音性能
    2. 耐候性
    3. 施工性

    以下で項目ごとに詳細を説明させて頂きます。

    その1. 吸音,遮音性能

    まずは必要なのが、基本的な防音性の指標となる「吸音性・遮音性」です。

    遮音性能はその名の通り「音を遮る力」です。ある音が物体を通過する時に、どれだけ透過させないかがこの遮音性能(透過損失)で決まります。また、吸音性能は「音を吸う力」です。ある音が物体に入射した時に、どれだけ跳ね返さないかがこの吸音性能で決まります。

    展示会やお問い合わせにて、コンクリートや鉛などの重量のある素材を使えば製品コストも安いし防音効果もでるのではないか?という疑問を受けることがあります。

    たしかにコンクリートや鉛などは重量もあり、高い遮音性を持っているため、「遮音」の観点だけでみれば防音壁にもマッチしそうです。しかし、「吸音」の観点で見るとコンクリートや鉛はまったく吸音性能がないため、壁にぶつかった音は反射し放題ですし、回り込みの影響も大きいです。この、音が反射して発生する音(反響音)と音が壁を回り込んでくる音(回折音)が問題となります。騒音源を全面囲うことができれば音が漏れてくることはないでしょうが、騒音源の数が多かったり大きかったりすると現実的ではありません。

    一方、吸音性能の高い防音材を防音壁として使うと、入射した音は熱エネルギーに変換され、音として聞こえにくくなります。防音壁に吸音性能が必要なのは、このような反響音や回析音を軽減するためです。

    その2. 耐候性

    防音壁は屋外で利用されることが多く、雨や風に随時晒され続けることが大前提としてあります。

    そこで必要になるのが防音材の「耐候性」です。耐候性とは、素材が屋外で使用された時の変形、変色、劣化等の変質の起こしにくさを表すものです。

    通常、グラスウールやウレタンなどの防音材は長時間屋外で使用し、雨や風に晒され続けると防音性能が著しく下がってしまいます。耐候性は言い換えれば防音材の寿命ですので、高ければ高いほどメンテナンスの必要性や取替えの必要性が低くなります。耐候性の高い防音材は長持ちするということで、長い目で見ればその分のコストが掛からないというメリットもあります。

    吸音、遮音を兼ね備えつつ耐候性もある防音材は、理想的な防音壁の条件の一つです。

    その3. 施工性

    最後の条件は「施工性」です。施工性は一言でいうと、設置がいかに手軽にできるかを表します。

    施工性を考える上で、防音壁の重量(軽さ)は重要になってきます。従来の防音壁ですと、厚さ100mmの重さ30kg/平米くらいのものもざらにあります。そうなると人の手での運搬・設置は難しくなるため、クレーンなどの重機を使用することになります。

    防音壁が人の手で運べる程軽量であれば、施工性は大幅に上がるでしょう。重機を使用する工賃を節約することもできますし、全体の工期も短縮されるため、コストダウンにも繋がります。

    しかし、「軽量」であることと「遮音性が高い」という条件は相反する、いわばトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)の関係にあります。この問題をクリアできれば、理想の防音壁に更に一歩近づくことができそうです。

    3つの条件を兼ね備えた防音パネル「一人静」

    以上が良い防音壁に必要な3つの条件になります。

    弊社製品の「一人静シリーズ」は上記の吸音・遮音性、耐候性、施工性を兼ねそろえた防音パネルです。

    一人静は3層の積層構造を採用しており、低音から高音まで一律に吸音・遮音ができます。また、芯材にハニカム材を用いることで内部の吸音材の耐久力が向上、長期間使用しても劣化しない耐候性を発揮することができます。従来の防音壁と比べて薄型・軽量で手で持ち運びが可能、高い施工性も持ち合わせています。

    パネルに種類ついては過去記事「防音パネル「一人静シリーズ」~各パネルの解説と施工例~」で簡単にご説明させて頂いております。また、その他の施工例についてはホームページ内でキーワード(例. ブロワー、コンプレッサー、室外機等)検索して頂ければ該当する騒音源ごとの過去記事を見ることができますので、合わせてご覧になってみてください。