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音楽を応用した新しい治療法「音楽療法」~記憶の扉を叩く鍵

2019-04-18 ブログ

製造部Iです。

ノートルダム大聖堂の火災のニュースを見ましたが、とてもショッキングな映像でした。負傷者がいないことと有名なバラ窓のステンドグラスの損傷が軽微ですんだことが不幸中の幸いでした。日本にも歴史ある建造物がたくさんある上に木造のものも多いので、今後同じようなことが起こらないよう気をつけなくてはいけませんね。

さて、昨年の11月に病院/福祉設備機器を集めた専門展示会『HOSPEX JAPAN2018』に参加させていただきました。
静科として医療系の展示会は初の出展で、医療分野からの関心も徐々に高まっていると言えます。
そこで、今回の記事では「医療」と「音」に関連する項目として、最近注目されている「音楽療法」について書きたいと思います。

音楽療法とは

音楽療法とは、好きな音楽を聴いたり、タンバリンやカスタネットのような簡単な楽器を奏でたり、カラオケで歌うなど、音楽を通して脳の活性化を促すリハビリテーション法の一つです。音楽を治療に応用したのは、第一次世界大戦で帰還したアメリカの兵隊員を癒したことが最初だと言われています。その後、認知症にとどまらず統合失調症の治療やがん患者の終末期のケアなどさまざまな場面で利用されるようになっていきました。

音楽療法の分類

音楽療法は大きく分けると、「能動的音楽療法」と「受動的音楽療法」の2種類に分類することができます。

能動的音楽療法

音楽療法士のもとで、「音楽を聴く以外の動作」を組み合わせて行うものを能動的音楽療法と言います。

例えば、
・合唱・カラオケなどで歌を歌う
・タンバリンやハンドベルなどの楽器を使って演奏する
・音楽に合わせて踊る
などが能動的音楽療法にあたります。介護施設やデイサービスなどで行われているレクリエーション活動は、主にこの能動的音楽療法を取り入れていると言えます。

受動的音楽療法

音楽療法士のもとで、音楽や演奏を「聴く」ことが中心となっているものを受動的音楽療法と呼びます。主に聴くことで行う療法で、クラシック音楽や歌謡曲など患者さんの好きな曲を使って精神的なケアを行うことができます。

・若い頃に好きだった音楽を聴く
・懐かしい曲を聴く
などが受動的音楽療法にあたります。

効果

音楽療法は脳を活性化させる以外にも、気持ちを落ち着かせるリラクゼーション効果、食欲増強効果、安眠効果、笑顔が増えるなど、様々な効果があり、認知症患者が利用する多くの施設で実施されています。音楽は「記憶の扉を開ける鍵」とも言われており、子どものときに歌った唱歌や若いころに流行した曲を選ぶと、昔のことが同時に脳内に蘇り、さらに脳を活性化させる効果が期待できると言われています。

認知症の人は、不安や孤独感から閉じこもりがちになったり、言語機能障害などにより交流したくてもコミュニケーションがうまくとれない場合があります。周囲の人と同じリズムに乗りメロディを口ずさむうちに少しずつ打ち解け、心を開くきっかけを与えてくれる可能性もあります。

音楽療法は日本ではまだ認知度が低い治療法ですが、多くの可能性に満ちており、今後のさらなる発展に期待したいところです。