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株式会社静科

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    室内送風機の騒音対策@埼玉県~「一人静タイプL薄型」を用いた5面体防音カバーの開口部を工夫し約19dBの低減に成功

    みなさんこんにちは、製造部の横山です。

    久しぶりにゲームを長時間プレイしたところ、高校時代は半日以上続けて遊べていたのに対し、今回は6時間ほどで休憩を取りたくなってしまい、少し衰えを感じてしまいました。集中力や体力は気づかないうちに変化しているものだと実感します。

    さて今回は、室内に設置された送風機の騒音問題に対し、防音カバーの設計・施工によって大幅な騒音低減を実現した事例をご紹介いたします。

    送風機の稼働騒音による作業環境への影響

    今回ご相談いただいたのは、工場内に設置されているテクセル耐蝕送風機(CES151-RH-B)の騒音問題に関するご相談でした。送風機の稼働音が近接する作業エリアに直接広がり、作業者の集中力や、作業効率に影響を及ぼしている状況でした。

    騒音値は約80dBで、交通量の多い道路沿いや騒がしい事務所内と同程度の音量に相当します。耳栓が必要なレベルではないものの、この音が至近距離で継続的に発生することで、会話の聞き取りづらさや集中力の低下を招き、結果として作業効率に影響が出ていました。

    さらに、送風機と連結している機器を複数台稼働させると騒音が増幅し、周辺エリアにも影響が広がるため、やむを得ず稼働台数を制限されている状況でした。こうした運用制限を解消し、通常通りの設備運用を実現したいというご要望から、防音対策のご相談をいただきました。

    現地調査と防音設計の方向性

    ご相談をお客様から頂いた後、現地にて騒音測定および設置条件の確認を実施いたしました。測定の結果、送風機から1m地点で80.9dBを記録し、周波数分析では600Hz~800Hzの中音域が大きく確認されました。

    この結果を踏まえ、防音材として「一人静 タイプL薄型」を採用し、防音カバーの設計をご提案いたしました。本製品は中音域を中心に、低周波にも配慮した特性を持ち、今回のような産業機械の騒音問題に適した仕様です。

    関連ページ:一人静シリーズ

    また、お客様から頂いた以下のご要望を踏まえ、防音性能とメンテナンス性を両立した設計を行いました。

    • メンテナンス時に簡単に解体できる構造
    • 異音発生時に迅速に機器へアクセスできる扉の設置

    防音カバーの仕様と現場に応じた設計工夫

    今回製作した防音カバーの仕様は下記の通りです。

    • 5面体防音カバー
    • 個数:1台
    • サイズ:W1,200×D1,050×H1,500
    • 製作期間:約2週間
    • 設置箇所:屋内
    • 施工人数:2名
    • 施工期間:半日

    主な仕様は以下の通りです。

    • 両開き扉の設置
    • 配管用開口の加工
    • エビナット+ビス止めによる分解構造

    まず両開き扉については、限られたスペースでも確実に開閉できるよう採用しました。さらに扉上部に密閉用ハンドルを設けることで、操作性を確保しながら気密性を高め、防音性能の低下を抑えています。

    次に開口部対策についてですが、今回は、配管や機器からの発熱がほとんどない条件であったため、アルミ複合板と気密テープを用いた隙間処理を行いました。遮音材を追加する方法ではありませんが、気密性を高めることで音の漏れを抑制し、結果として遮音性能の向上に寄与する対策です。

    防音対策において隙間は非常に重要な要素であり、わずかな開口でも音が大きく漏れてしまい、十分な低減効果が得られなくなる場合があります。特に開口が大きい場合は、体感として騒音源に近い音が聞こえてしまうこともあるため、開口部の処理精度が防音性能を左右する重要なポイントとなります。

    さらに今回の現場では、対象機器が設備架台に囲まれている特殊な条件でした。架台は約800×800×800mmと比較的大きく、そのままではパネル設置が困難であったため、架台を避けるようにパネルへ切り欠きを設ける設計としました。切り欠き部分については、架台1面に対してパネルをはめ込む構造とし、架台がスチール製である特性を活かして、パネル側に磁石を取り付けて固定する方式を採用しました。これにより、ビス固定を行わずに着脱が可能となり、施工性とメンテナンス性を両立しております。

    架台部分パネル設置
    配管エルボー部分の塞ぎ加工
    両開き扉部分(開口時)

    騒音低減効果と作業環境の改善

    施工後の騒音測定では、送風機から1m地点において80.9dBから61.4dBへと低減し、約19dBの騒音低減を確認しました。この低減量は体感としても大きく、作業者様からは「会話がしやすくなり、作業に集中できるようになった」といったお声をいただきました。また、これまで制限していた設備の同時運転が可能となり、作業効率の向上にもつながっております。

    現地確認や騒音測定のうえ最適な防音対策をご提案

    今回は、室内送風機の騒音問題に対し、防音カバーと開口部の工夫によって約20dBの騒音低減を実現した事例をご紹介いたしました。防音工事においては、単に防音材で囲うだけでなく、隙間や開口部の処理、設置条件への対応など、細かな設計が最終的な効果を大きく左右します。現場ごとに最適な方法を選定することが、確実な騒音対策につながります。

    弊社では、工事現場や事務所、産業機械などの騒音問題に対し、現地確認や騒音測定を行ったうえで最適な防音対策をご提案しております。小さなご相談でも対応可能ですので、防音対策をご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。WEBからのご相談も「騒音相談WEBツール」より受け付けております。