『一人静シリーズ』を支える素材に注目【前編】~ハニカム(ハチの巣)構造について
こんにちは、製造部岩崎です。
先日、友人より大量のナスのおすそ分けをもらったのですが、料理の腕が未熟なためにレパートリーがほぼなく消費に困っているこの頃です。ネットで見つけたチーズを乗っけてオーブンで焼くパターンと、油で揚げてからめんつゆと大根おろしで頂く2パターンが簡単で美味しかったのですが、味が単調で少し飽きてきています。やはりスーパーで売っている麻婆ナスの素などが無難でしょうか。腐らせてしまう前に食べきりたいと思います。
さて、本日の記事ではいつもと少し毛色を変え、防音パネルに使われる素材についてお話したいと思います。今回は一人静シリーズの根幹を支えるキーワードである「ハニカム構造」についてご紹介いたします。
ハニカムとは
ハニカム構造は、強度を損なわずに、できる限り必要な材料を少なくできる構造として、幅広い場面で使用されています。ハニカムとは英語の「Honey-Comb」からきており、ミツバチの巣という意味があります。ミツバチの巣のように無数の六角形構造が隙間なく並べられた構造のことをハニカムといいます。
面積の有効活用
図形の中で、外周が一定であるという条件の元で一番面積が大きくなる形状は円形です。しかし、円形を並べると図形の間に大きな隙間ができてしまい無駄が発生します。
一方、隙間なく並べる事ができる図形としては「三角形」「四角形」「六角形」の3種類が挙げられますが、外周の長さが一定である場合に最も面積が大きくなるのがハニカム構造である「六角形」です。
隙間なく並べた上で、円形とは違い、全ての面積を有効活用できるのがこの六角構造の特徴です。
衝撃への耐性
ハニカム構造は上記のように、材料の効率的活用をするうえで有効な形状であると言えますが、更なる特徴として「衝撃吸収性」、つまり強度の担保が挙げられます。
担保という表現をしたのは、構造上一番強い形状は三角形だからです。正三角形は、各種の方向からの力に対して安定しており、「強度」そのものの意味では最も優れています。
一方、六角形は「力の分散」という観点で考えると、外部からの力(衝撃)を5方向に分散できるというメリットがあり、衝撃吸収力が優れていると言えます。
このように考えると、正六角形が最も強いということにはならないものの、正六角形を組み合わせた構造であるハニカム構造は「材料面積を効率的に活用しつつも一定の強度も保つことができる」という非常にバランスに優れた構造であることがうかがえます。
ハニカム構造の応用
「ハニカム構造」の応用の代表的なものとして、以下が挙げられます。
- 航空機、新幹線、ロケットなどの輸送機器
- 建築材料
- 梱包材
- 家電
- スポーツ用品など
いずれの例でも、強度を保ったまま軽量化、コストダウンを可能とする事例が多くあげられます。身近なところで言うと、ハニカム構造を使用して腰への負担を軽減できるゲルクッションなどがホームセンターなどで売られていますね。
これらの応用例の中でも、一人静シリーズにも使われている技術である、ハニカムを芯材として表面板で挟み込んだ構造材料「ハニカムサンドイッチ構造」は幅広く利用されております。
次回の記事ではこのハニカムサンドイッチ構造を中心に、ハニカム構造が『一人静シリーズ』にどのように応用されているかをお話したいと思いますので、是非続編をお待ちください。